ビル管理士 2021年(R3年) 問124  過去問の解説【給水及び排水の管理】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

雑用水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地区循環方式は、複数の建物間で排水再利用設備を共同利用するものである。
2.雑用水の原水は、年間を通じて安定して確保できる排水を優先する。
3.雑用水は、洗面器、手洗器等に連結しない。
4.雑用水受水槽は、耐食性及び耐久性のある材質のものを用いる。
5.原水にし尿を含む雑用水を、散水、水景用に使用する場合は、規定された水質基準に適合する必要がある。

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回答と解説動画

正解は(5)

雑用水(ざつようすい)とは、主にトイレの洗浄水や散水、清掃などに使われる、飲用以外の目的で使用される水のことです。上水道(飲料水)とは区別され、下水や雨水などを再生処理して利用されることが多いです。

1.地区循環方式は、複数の建物間で排水再利用設備を共同利用するものである。
→正しい
地区循環方式は、複数の建物間で排水再利用設備を共同利用し、処理水を各建物に送水して利用する方式です。

なお、この他に広域、個別循環方式というものあります。全てまとめると以下の通りです。

  • 広域循環方式
    下水処理場で処理された再生水を、広範囲の地域に供給する方式
    水は一度下水道へ排水されてから再利用されるため、下水道への排水量に大きな変化はない
  • 地区循環方式
    複数の建物や地区内の排水をまとめて処理し、再生水を地区内で再利用する方式
    個別循環方式より広い範囲で排水の再利用を行う
  • 個別循環方式
    建物内で発生する排水や雨水を、その建物内で処理し再利用する方式
    排水を建物内で再利用するため、下水道への排水量を減らすことができる

2.雑用水の原水は、年間を通じて安定して確保できる排水を優先する。
→正しい
雑用水の原水には、水量が安定して確保できる排水を優先するのが基本です。

3.雑用水は、洗面器、手洗器等に連結しない。
→正しい
雑用水を洗面器や手洗器などの誤飲・誤用の可能性がある器具に連結してはいけません。これは、雑用水が飲料水ではないため、誤って飲んでしまうことを防ぐための措置です。また、温水洗浄便座(ウォシュレット)にも使ってはいけません。

4.雑用水受水槽は、耐食性及び耐久性のある材質のものを用いる。
→正しい
雑用水受水槽は、耐食性や耐久性のある材質のものを使用します。

5.原水にし尿を含む雑用水を、散水、水景用に使用する場合は、規定された水質基準に適合する必要がある。
→不適当
し尿を含む汚水を原水とする雑用水は、散水などの用途に利用することは禁止されています。なお、水洗便所に使用する場合はし尿を含んでいてもよいとされています。

雑用水の基準については令和4年問8参照

解説動画

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