ビル管理士 2021年(R3年) 問120  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給湯設備に使用される材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.金属材料の曲げ加工を行うと、応力腐食が生じることがある。
2.耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の最高使用許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。
3.樹脂管を温度の高い湯に使用すると、塩素による劣化が生じやすい。
4.ステンレス鋼管は、酸化被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。
5.ポリブテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。

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回答と解説動画

正解は(5)

1.金属材料の曲げ加工を行うと、応力腐食が生じることがある。
→正しい
金属材料の曲げ加工は、材料に残留応力を生じさせます。この残留応力と、腐食性環境が組み合わさることで、応力腐食割れという現象が発生します。

2.耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管の最高使用許容圧力は、使用温度が高くなると低下する。
→正しい
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、温度が高くなるほど最高使用許容圧力が低下します。これは、温度上昇によって管の強度が低下するためです。

3.樹脂管を温度の高い湯に使用すると、塩素による劣化が生じやすい。
→正しい
樹脂管は高温で塩素による劣化が進みやすくなります。

4.ステンレス鋼管は、酸化被膜による母材の不動態化によって耐食性が保持される。
→正しい
ステンレス鋼管は、表面に形成された酸化被膜(不動態被膜)によって耐食性が保たれます。この酸化被膜は、ステンレス鋼に含まれるクロムが空気中の酸素と反応してできる、非常に薄い膜です。この膜が、内部の金属を腐食から守る「鎧」のような役割を果たします。

5.ポリブテン管の線膨張係数は、銅管と比較して小さい。
→不適当
ポリブテン管の線膨張係数は銅管よりもはるかに大きく、温度変化による伸縮が大きい材料です。というか、樹脂管は金属管と比べて線膨張係数がかなり大きいです。

【線膨張係数(小さい順)】
銅管、ステンレス管<鋼管<耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管<ポリブデン管、架橋ポリエチレン管

線膨張係数とは、温度変化によって物体がどれだけ膨張または収縮するかを示す値です。数値が大きいほど膨張、収縮しやすい。

解説動画

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