問題
給湯設備における水の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 4℃以上の水は、温度が高くなると密度は小さくなる。 | ||
2. | 配管内の水中における気体の溶解度は、水温の上昇により増加する。 | ||
3. | 給湯設備で扱う範囲の水は、ほとんど非圧縮性である。 | ||
4. | 水中に溶存している空気は、配管内の圧力が高いと分離されにくい。 | ||
5. | 水温が高いほど、金属腐食速度が速くなる。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1.4℃以上の水は、温度が高くなると密度は小さくなる。
→正しい
水は4℃で最も密度が高く、それ以上温度が上がると密度は小さくなります。
密度とは、ある体積の中にどれだけの質量(重さ)が詰まっているかを表すものです。イメージとしては、ぎっしり詰まっていれば密度は高く、スカスカであれば密度は低いということになります。
たいていの物質では、温度が上がると体積が膨らみ、密度は小さくなります。逆に温度が下がると体積が縮まり、密度は大きくなるというのが一般的な傾向です。金属や油、空気など、多くの物質がこの法則に従います。
ところが、水はこの常識に当てはまりません。
水は温度が下がると、確かに最初のうちは密度が高くなりますが、それは4℃までの話です。4℃よりも温度が下がっていくと、逆に密度は低くなっていき、やがて0℃で氷になります。氷が水に浮くのは、水の密度よりも氷の密度が低いからです。
2.配管内の水中における気体の溶解度は、水温の上昇により増加する。
→不適当
水中の気体の溶解度は水温が上昇すると減少します。温度が高いほど気体は水に溶けにくくなります。
例えば、水を加熱すると鍋ややかんの内側に小さな気泡がつきますが、これは水に溶けていた空気(主に酸素や窒素)が、温度上昇で溶解度が下がり、水から抜け出して気泡となったものです
3.給湯設備で扱う範囲の水は、ほとんど非圧縮性である。
→正しい
通常の給湯設備で扱う温度・圧力範囲の水は、ほぼ非圧縮性とみなせます。
4.水中に溶存している空気は、配管内の圧力が高いと分離されにくい。
→正しい
圧力が高いほど空気は水に溶けやすく、分離しにくくなります。
5.水温が高いほど、金属腐食速度が速くなる。
→正しい
水温が高いほど化学反応が活発になり、金属腐食速度も速くなります。
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