問題
水道施設等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 市又は特別区の専用水道及び簡易専用水道は、当該市長又は特別区長が指導監督を行う。 | ||
2. | 地表水は、伏流水と比較して、水量及び水質の変化が大きい。 | ||
3. | 深層地下水は、地表からの汚染を受けにくく、水質は安定しているが、管の腐食を生ずることがある。 | ||
4. | 導水施設とは、浄水施設で処理された水を配水施設まで送る施設のことである。 | ||
5. | 水道法で規定する給水装置とは、需要者に水を供給するために、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具のことである。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1.市又は特別区の専用水道及び簡易専用水道は、当該市長又は特別区長が指導監督を行う。
→正しい
専用水道や簡易専用水道の指導監督は、原則としてその設置場所を管轄する市長や特別区長が行います。なお、水道事業については国や都道府県知事が監督権限を有しています。
2.地表水は、伏流水と比較して、水量及び水質の変化が大きい。
→正しい
地表水は、雨や雪解け水などが地表を流れて集まった水のことです。そのため、降水量や気温、周辺環境の変化に影響を受けやすく、水量や水質が変動しやすいです。例えば、雨が降れば水量が増え、逆に雨が降らなければ水量が減ります。また、周辺の環境汚染の影響も受けやすく、水質が悪化することもあります。
一方、伏流水は、地中で砂礫層などを通ってろ過された水のことです。地中を移動するため、降水量の影響を受けにくく、水質も安定しています。また、地中でろ過されるため、地表水よりも水質が良好な傾向があります。
3.深層地下水は、地表からの汚染を受けにくく、水質は安定しているが、管の腐食を生ずることがある。
→正しい
深井戸水(深層地下水)は地表からの影響を受けにくく水質が安定していますが、ミネラル分が多く含まれるため、配管の腐食やスケール付着が生じることがあります。
4.導水施設とは、浄水施設で処理された水を配水施設まで送る施設のことである。
→不適当
導水施設は「取水施設から浄水施設まで原水を送る施設」であり、「浄水施設で処理された水を配水施設まで送る」ものではありません。浄水後の水を配水施設に送るのは「送水施設」と呼ばれます。
以下の画像を参考にイメージをしてください。
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出典:飯田市
5.水道法で規定する給水装置とは、需要者に水を供給するために、水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具のことである。
→正しい
水道法の定義通りです。給水装置とは、水道本管(配水管)から分岐して各家庭に引き込まれた給水管、止水栓、メーター、蛇口などの給水用具をまとめて指します。
(水道法 第三条)
9 この法律において「給水装置」とは、需要者に水を供給するために水道事業者の施設した配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具をいう。
ビル管理士試験で必要そうな水道の分類まとめ
区分 | 主な特徴 |
---|---|
水道事業 | 一般の需要に応じて水道で水を供給する事業。 計画給水人口101人以上、または1日最大給水量20m³超 |
上水道事業 | 水道事業のうち計画給水人口5,001人以上のもの。 |
簡易水道事業 | 水道事業のうち計画給水人口5,000人以下のもの。 |
専用水道 | 自家用水道で、①給水人口100人超、または②1日最大給水量20m³超のもの(ただし一定規模以下の受水型は除外)。 井戸水などを水源としている場合などが該当します。 |
簡易専用水道 | 水道事業からの受水のみを水源とし、受水槽の有効容量合計が10m³超のもの。 受水槽などを設置しているビルやマンションが該当します。 |
水道施設 | 水道施設とは、水道法で定義されている、取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、配水施設を指します。 |

「上水道事業」のような水道事業っていうのは、水を他人に売る・供給することが目的のビジネス(または公共サービス)です。
一方、専用水道などは、自分の施設だけで使うためのもので、売るわけではなく、自家使用が目的です。
全く別物なので勘違いしないようにしてくださいね!
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