ビル管理士 2020年(R2年) 問97  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄鋼の線膨張係数は、コンクリートとほぼ等しい。
2.アルミニウムは、他の金属やコンクリート等と接触すると腐食する。
3.コンクリートを構成する砂と砂利の容積は、全体の約70%を占める。
4.トタンは、鋼板にすずめっきをしたものである。
5.網入板ガラスは、フロート板ガラスに比べて、火災時に破片の飛散防止効果がある。

回答と解説動画

正解は(4)

1.鉄鋼の線膨張係数は、コンクリートとほぼ等しい。
→正しい
線膨張係数とは、温度が1℃上昇したときに、材料がどれだけ膨張するかを表す係数です。鉄筋とコンクリートの線膨張係数はほぼ同じ値であるため、温度が変化しても、鉄筋とコンクリートはほぼ同じように膨張・収縮します。
もし鉄筋とコンクリートの線膨張係数が大きく異なれば、温度変化によってコンクリートと鉄筋の間でずれが生じ、応力が発生し、構造物のひび割れや破損につながる可能性があります。

2.アルミニウムは、他の金属やコンクリート等と接触すると腐食する。
→正しい
アルミニウムは、異種金属と接触すると電食(電気化学的腐食)を、コンクリートと接触するとアルカリ腐食を起こすことがあります。
これは、材料同士の性質の違いや化学反応によって、アルミニウムが腐食しやすくなるためです。

3.コンクリートを構成する砂と砂利の容積は、全体の約70%を占める。
→正しい
コンクリートはセメント、砂、砂利、水からなり、一般的に砂と砂利の容積比は全体の約70%程度です。

  • モルタル:砂、セメント、水を練り混ぜたもの
  • コンクリート:砂、砂利、セメント、水を混合し練り混ぜて固めたもの
  • セメントペースト:水とセメントを練り混ぜたもの

4.トタンは、鋼板にすずめっきをしたものである。
→不適当
トタンは、鋼板に「亜鉛めっき」を施したものです。すずめっきをした鋼板は「ブリキ」と呼ばれます。

5.網入板ガラスは、フロート板ガラスに比べて、火災時に破片の飛散防止効果がある。
→正しい
網入板ガラスは、ガラス内部に金網を入れることで、火災時に割れても破片が飛び散りにくい特徴があります。
なお、フロート板ガラスは一般的な透明板ガラスのことです。

網入り板ガラス

解説動画

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