ビル管理士 2020年(R2年) 問85  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

音・振動環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.立位、座位では聞こえなくても、寝た場合に、骨伝導で固体伝搬音が感知されることがある。
2.ポンプに接続された管路系で発生する騒音は、空気伝搬音である。
3.空気伝搬音を低減するためには、窓、壁、床等の遮音などが必要であるのに対し、固体伝搬音は、振動源の発生振動低減や防振対策が重要である。
4.外部騒音が同じ場合、コンサートホール・オペラハウスより、録音スタジオの方が高い遮音性能が求められる。
5.床スラブ厚が薄い機械室に隣接する居室の振動対策としては、設備機器などの防振支持が重要である。

回答と解説動画

正解は(2)

1.立位、座位では聞こえなくても、寝た場合に、骨伝導で固体伝搬音が感知されることがある。
→正しい
寝た状態では、身体が床や寝具と接触しているため、振動が骨を通じて頭部へ伝わりやすくなり、固体伝搬音を感知しやすくなります。

2.ポンプに接続された管路系で発生する騒音は、空気伝搬音である。
→不適当
ポンプから発生する振動は管路を通して建物に伝わるため、「固体伝搬音」に分類されます。

  • 固体伝搬音(建物などの構造体を伝わる振動によって発生する音)
    • ダクト・管路系の振動に起因する音
    • 洗濯機やエレベーターなど機械の振動音
    • 外部の鉄道や工事の振動音
  • 空気伝搬音(空気の振動として伝わる音)
    • 隔壁・隙間等を透過してくる空調機から発生した音
    • ダクト内を伝搬して給排気口から放射される音
    • 窓から入る道路交通騒音

3.空気伝搬音を低減するためには、窓、壁、床等の遮音などが必要であるのに対し、固体伝搬音は、振動源の発生振動低減や防振対策が重要である。
→正しい
空気伝搬音には建築的な遮音、固体伝搬音には機器や設備の防振や構造体を重く・剛性を高くするなどが適した対策となります。

4.外部騒音が同じ場合、コンサートホール・オペラハウスより、録音スタジオの方が高い遮音性能が求められる。
→正しい
録音スタジオでは、微細なノイズも録音されてしまうため、非常に高い遮音性能が求められます。

5.床スラブ厚が薄い機械室に隣接する居室の振動対策としては、設備機器などの防振支持が重要である。
→正しい
スラブが薄い場合、振動が伝わりやすいため、機器の防振支持が効果的な対策となります。

解説動画

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