ビル管理士 2020年(R2年) 問82  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

騒音・振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.周波数1Hz以下の乗り物などの揺れに対しては、一般に、鉛直方向よりも水平方向の方が敏感である。
2.鉛直方向に5Hzの振動は、環境振動で対象とする周波数範囲に含まれる。
3.道路交通振動に対する振動規制は、昼間より夜間の方が厳しい。
4.ある騒音環境下で、対象とする特定の音より周波数が低い音のことを暗騒音という。
5.広帯域騒音とは、広い周波数領域の成分を含む騒音のことである。

回答と解説動画

正解は(4)

1.周波数1Hz以下の乗り物などの揺れに対しては、一般に、鉛直方向よりも水平方向の方が敏感である。
→正しい
人間は周波数1Hz以下の低周波振動に対して、水平方向の揺れのほうが不快感を感じやすいとされており、振動影響の評価でもそのように考慮されます。

2.鉛直方向に5Hzの振動は、環境振動で対象とする周波数範囲に含まれる。
→正しい
環境振動の評価に用いられる周波数範囲は、通常1Hz~90Hz程度とされており、5Hzはその範囲内です。
なお、問題文では「鉛直方向に」と言っていますが、この定義は全身振動に対するものなので、水平振動でもほぼ同じことがいえます。
※ヒトが感じやすいのは、鉛直振動では4~8Hz、水平振動では1~2Hz付近

3.道路交通振動に対する振動規制は、昼間より夜間の方が厳しい。
→正しい
夜間は生活環境が静かで、振動への感受性が高まることから、規制基準が昼間より厳しく設定されています。

4.ある騒音環境下で、対象とする特定の音より周波数が低い音のことを暗騒音という。
→不適当
「暗騒音」とは、測定対象の音が存在しないときに常に存在している背景音(バックグラウンドノイズ)のことです。周波数の高低は関係ありません。

「暗騒音」とは、測定したい音(対象音)以外に、その場所で常に存在している環境音や雑音のことです。
例えば、エアコンの運転音を測りたい場合、外から聞こえる車の音や他の機械の音、人の話し声などが「暗騒音」にあたります。
測定方法としては、まず「対象音+暗騒音」の値を測り、次に「暗騒音だけ」の値を測って、両者の差を確認します。この差が10dB以上あれば、暗騒音の影響は非常に小さく、実質的に無視できます

5.広帯域騒音とは、広い周波数領域の成分を含む騒音のことである。
→正しい
定義どおりです。たとえば、ジェット機のエンジン音や機械の運転音などが広帯域騒音の典型です。

解説動画

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次