ビル管理士 2020年(R2年) 問68  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

ボイラに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鋳鉄製ボイラは、スケール防止のため装置系を密閉系で設計・使用する。
2.貫流ボイラの取扱いには、容量によらずボイラ技士に関する資格が必要である。
3.炉筒煙管式ボイラは、直径の大きな横型ドラムを本体とし、燃焼室と煙管群で構成される。
4.真空式温水発生機では、缶体内を真空に保持して水を沸騰させ、熱交換器に伝熱する。
5.真空式温水発生機では、容量によらずボイラに関する取扱資格は不要である。

回答と解説動画

正解は(2)

1. 鋳鉄製ボイラは、スケール防止のため装置系を密閉系で設計・使用する。
→ 正しい
鋳鉄製ボイラは内部清掃が難しいため、スケール(湯あか)防止のため装置系を密閉系で設計・使用します。

鋳鉄製ボイラについて必要な知識
  • 鋳鉄製のセクション(パーツ)を複数組み合わせて作る構造。
  • 高温・高圧・大規模のものは製作できない。
  • 主に低温・低圧の温水・蒸気ボイラーとして暖房や給湯用に使われる。
  • 鋳鉄製のセクション内部の清掃が難しい。
  • 上記理由より、スケール(湯あか)防止のため装置系を密閉系で設計・使用する。
  • 蒸気使用で最高使用圧力0.1MPa以下、温水使用で0.5MPa以下で、温度は120℃以下とする。

2. 貫流ボイラの取扱いには、容量によらずボイラ技士に関する資格が必要である。
→ 不適当
ボイラーは、一定の基準(伝熱面積や圧力によって変わる)を満たしていなければ資格不要です。

貫流ボイラについて必要な知識
  • 保有水量が少ないため、比較的短時間で蒸気を発生させることができる。
  • 保有水量が少ないため、一度に大量の蒸気の使用には不向き。
  • 水管壁に囲まれた燃焼室及び水管群からなる対流伝熱面で構成される。(ドラムがない)
  • 耐圧性に優れている。
  • 給湯用貫流ボイラは、一度に大量の温水の使用には不向き。
  • コンパクトで省スペース、小型化しやすい。

3. 炉筒煙管式ボイラは、直径の大きな横型ドラムを本体とし、燃焼室と煙管群で構成される。
→ 正しい
炉筒煙管ボイラは、直径の大きな横型ドラム(胴)を本体とし、燃焼室(炉筒)と煙管群で構成されています。

炉筒煙管ボイラについて必要な知識
  • 直径の大きな横型ドラムを本体とし、燃焼室、煙管群で構成される。
  • 洗浄・消毒等の用途に高圧蒸気を必要とする病院・ホテル等で多く採用されている。
  • 保有水量が多く、負荷変動に強い(圧力や水位の変動が小さい)。

4. 真空式温水発生機では、缶体内を真空に保持して水を沸騰させ、熱交換器に伝熱する。
→ 正しい
真空式温水発生機は、缶体内を減圧(真空)し、低温で水を沸騰させて熱交換器で温水を作ります。

5. 真空式温水発生機では、容量によらずボイラに関する取扱資格は不要である。
→ 正しい
真空式温水発生機は法的にボイラに該当しないため、容量に関係なくボイラー技士資格は不要です。

解説動画

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