問題
浮遊粒子の動力学的性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
| 1. | 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に反比例する。 |
| 2. | 球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。 |
| 3. | 球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。 |
| 4. | 電界中の電荷をもつ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。 |
| 5. | 球形粒子が気体から受ける抵抗力は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。 |
回答と解説動画
正解は（2）
1．抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に反比例する。
→正しい
ストークス域（レイノルズ数2以下）では、粒子の動きやすさを表すレイノルズ数が小さいほど、抵抗係数は大きくなります。つまり、レイノルズ数が小さくなると抵抗係数が大きくなる関係（反比例）です。
2．球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。
→不適当
拡散係数は、粒子が空気中でどれだけ広がりやすいかを示します。粒が小さいほどよく動き回り、拡散しやすくなります。つまり、粒径が小さいほど拡散係数は大きくなり、粒径が大きいほど拡散係数は小さくなります。比例ではなく「反比例」です。
3．球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。
→正しい
粒子が大きくなるほど、重さも増えて速く落ちるようになります。粒径が2倍になると沈降速度は4倍になるなど、「2乗に比例」します。
4．電界中の電荷をもつ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。
→正しい
電気を帯びた粒子は、電界の中で動きますが、粒が小さいほど速く動きます。粒径が大きいと動きにくくなるので、「粒径に反比例」します。
5．球形粒子が気体から受ける抵抗力は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。
→正しい
粒子が動いている場合、受ける空気の抵抗力は速度の2乗に比例して大きくなります。
解説動画
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