ビル管理士 2020年(R2年) 問44  過去問の解説【建築物の環境衛生】

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問題

クリプトスポリジウム症とその病原体に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.感染した哺乳類の糞便が感染源となる。
2.大きさ4~6μmの原虫である。
3.感染すると、2~5日後に下痢や腹痛等の症状が表れる。
4.特定の環境下では、2~6か月間感染力を維持する。
5.対策として、給水栓末端における遊離残留塩素濃度を、0.2mg/L以上に保つことが重要である。

回答と解説動画

正解は(5)

1.感染した哺乳類の糞便が感染源となる。
→ 正しい
クリプトスポリジウムはヒトや動物の腸管に寄生し、糞便中に排出されます。感染源は感染した哺乳類の糞便です。

2.大きさ4~6μmの原虫である。
→ 正しい
クリプトスポリジウムは直径4~6μm程度の原虫です。

3.感染すると、2~5日後に下痢や腹痛等の症状が表れる。
→ 正しい
潜伏期間は2~10日(平均4~5日)で、下痢や腹痛などの症状が現れます。

4.特定の環境下では、2~6か月間感染力を維持する。
→ 正しい
オーシストは湿潤な環境下で2~6か月間感染力を保つことがあります。

「オーシスト」とは、原虫の接合子が膜で覆われた状態を指し、感染源となる形態のことです。特に、クリプトスポリジウムという原虫が環境中に存在するときの形態として知られており、塩素に対して強い耐性をもつ。

5.対策として、給水栓末端における遊離残留塩素濃度を、0.2mg/L以上に保つことが重要である。
→ 不適当
クリプトスポリジウムは塩素消毒に非常に強い抵抗性があり、通常の塩素濃度(0.1~0.2mg/L)では不活化できません。クリプトスポリジウムの不活化には紫外線処理が有効です。

解説動画

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