問題
振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 全身振動の知覚は、内耳の前庭器官と三半規管が関係している。 |
2. | 振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。 |
3. | 全身振動の大きさの感覚は、振動継続時間によって異なる。 |
4. | 振動レベルの単位は、dB(デシベル)である。 |
5. | 白ろう病は、手持ち振動工具による指の血行障害である。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1.全身振動の知覚は、内耳の前庭器官と三半規管が関係している
→ 正しい
全身振動(車両運転時の揺れなど)は、内耳の前庭器官や三半規管が加速度変化を感知して知覚します。
2.振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる
→ 不適当
振動の知覚は、知覚神経末端受容器によるものであり、運動神経は関係ありません。
3.全身振動の大きさの感覚は、振動継続時間によって異なる
→ 正しい
同じ強さの振動でも、継続時間が短いと感覚的に小さく感じられます。
4.振動レベルの単位は、dB(デシベル)である
→ 正しい
振動レベルはdB(デシベル)で表します。周波数の単位はHz(ヘルツ)です。
5.白ろう病は、手持ち振動工具による指の血行障害である
→ 正しい
白ろう病(レイノー現象)は、手持ち振動工具の使用による局所振動が原因で、指先の血行障害が起こる病気です。
局所振動と全身振動まとめ
項目 | 局所振動 | 全身振動 |
---|---|---|
原因 | 手持ち工具(チェーンソー、削岩機)など | 車両運転(フォークリフト、バス)など |
周波数 | 8~1,000Hz | 1~90Hz(低周波) |
健康影響 | 白ろう病(指の蒼白化)、末梢神経障害、骨・関節障害など | 胃下垂、乗り物酔い、血圧上昇、腰痛、内臓機能障害、自律神経機能失調(車酔い・船酔いなど)、不快感、睡眠障害、胃腸障害、脊柱の異常など |
評価方法 | 手指への振動曝露量 | 鉛直・水平振動の両方で測定 |
解説動画
コメント