問題
熱中症に関する次の文章の( )内の語句のうち、最も不適当なものはどれか。
熱失神は皮膚血管の拡張により血圧が低下し(1.脳血流が減少)して起こる。 |
熱けいれんは発汗により(2.塩分)が失われ、その後大量に(3.水分)を摂取することで起こる。 |
熱疲労は細胞外液の浸透圧の増加により、細胞内の(4.水分増加)が生じることで起こる。 |
熱射病は(5.体温調節中枢の障害)が生じることで起こる。 |
回答と解説動画
正解は(4)
熱疲労は細胞外液の浸透圧の増加により、細胞内の(4.水分増加)が生じることで起こる。
上記文章が不適当です。
熱疲労は大量の発汗による脱水で、細胞外液の浸透圧が上昇し、細胞内から水分が細胞外へ移動することで「細胞内脱水」となります。したがって、「細胞内の水分増加」ではなく「細胞内の水分減少(脱水)」が正しいです。
熱中症の分類
分類 | 特徴・症状 | 原因・メカニズム |
---|---|---|
熱失神 | 皮膚血管の拡張による血圧低下、一過性の意識消失(失神やめまい) | 高温下で皮膚血管が拡張し、脳への血流が一時的に減少する。 |
熱けいれん | 筋肉の痛みを伴うけいれん | 大量発汗後に水分のみを補給し、血液中のナトリウムが低下(低ナトリウム血症)するため。 |
熱疲労 | 全身倦怠感、脱力、めまい、頭痛、吐き気、下痢など | 大量発汗による脱水と塩分不足、全身的な循環不全。 |
熱射病 | 体温上昇による中枢神経系機能障害(意識障害、けいれん、体温40℃以上など) | 体温調節中枢の機能障害により自力での体温調節ができず、深部体温が急激に上昇する。 |
日射病 | 熱射病のうち、太陽光が主な原因となるもの | 直射日光や強い輻射熱による体温上昇。 |
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