ビル管理士 2020年(R2年) 問176  過去問の解説【ねずみ、昆虫等の防除】

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問題

殺虫剤・殺鼠剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.昆虫体内の加水分解酵素などが、殺虫剤の解毒に関わっている。
2.殺鼠剤の安全性は、毒性の内容や強弱、摂取量、摂取期間によって決まる。
3.殺鼠剤の多くは、選択毒性が低く、ヒトに対しても毒性を示す。
4.殺鼠剤には、劇薬、毒薬に該当する製剤がある。
5.薬剤を実験動物に投与して求めたLD50値は、殺虫剤の急性毒性の評価基準となる。

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回答と解説動画

正解は(4)

1.昆虫体内の加水分解酵素などが、殺虫剤の解毒に関わっている。
→正しい
昆虫は加水分解酵素などの解毒酵素を持ち、これが殺虫剤の分解や解毒に関与しています。

2.殺鼠剤の安全性は、毒性の内容や強弱、摂取量、摂取期間によって決まる。
→正しい
殺鼠剤の安全性は成分の毒性や量、摂取の頻度や期間によって評価されます。

3.殺鼠剤の多くは、選択毒性が低く、ヒトに対しても毒性を示す。
→正しい
殺鼠剤は哺乳類全般に効くため、ヒトに対しても毒性を示します。このように狙った対象以外にも効果を示してしまう性質を選択毒性が低いと表現します。

4.殺鼠剤には、劇薬、毒薬に該当する製剤がある。
→不適当
殺鼠剤や殺虫剤に劇薬や毒薬に該当する製剤はありません。
毒薬、劇薬、普通薬の順番で毒性が低くなっていきますが、特定建築物内で用いられる薬剤は全て普通薬に該当します。

5.薬剤を実験動物に投与して求めたLD50値は、殺虫剤の急性毒性の評価基準となる。
→正しい
LD50は急性毒性の指標として用いられ、殺虫剤の毒性の強さを表す基準となります。一定量の薬剤を昆虫などの生物集団に投与したときに、その50%を致死させるために必要な1匹体あたりの薬剤量を意味します。

この他にも薬剤の有効性を表す指標がありますので一緒に覚えておきましょう。

LD50LD50(Lethal Dose 50)とは、半数致死量のことであり、殺虫剤などの急性毒性の強さを示す指標です。一定量の薬剤を昆虫などの生物集団に投与したときに、その50%を致死させるために必要な1匹体あたりの薬剤量を意味します。
LC50LC50(Lethal Concentration 50)とは、ある薬剤が空気中または水中に存在する場合に、その環境に一定時間曝露された試験生物のうち、50%が死亡する濃度を示す毒性指標です。主に水生生物や昆虫の幼虫などに対して用いられます。
KT50KT50(Knockdown Time 50)とは、殺虫剤の作用により昆虫などの対象生物の50%が「行動不能(ノックダウン)」になるまでにかかる時間を示す指標です。値が小さいほど速効性があるといえる。
IC50IC50(Inhibitory Concentration 50)とは、ある薬剤により昆虫の羽化を50%阻害する濃度を指します。つまり、この濃度では、対象となる昆虫の半数が羽化できなくなるということです。値が小さいほど効果が強い事を意味します。

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