ビル管理士 2020年(R2年) 問120  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.樹脂管の許容使用圧力は、使用温度が高くなると低下する。
2.ステンレス鋼管は隙間腐食が生じる可能性があるので、入念な施工が要求される。
3.耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、管端防食継手を使用する。
4.返湯管のない単管式の給湯配管に銅管を用いる場合は、給湯循環配管に用いる場合より腐食の発生する可能性が高い。
5.ステンレス鋼管と銅管の線膨張係数は、ほぼ等しい。

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回答と解説動画

正解は(4)

1.樹脂管の許容使用圧力は、使用温度が高くなると低下する。
→正しい
樹脂管は温度が高くなると材料が軟化し、許容使用圧力が低下します。

2.ステンレス鋼管は隙間腐食が生じる可能性があるので、入念な施工が要求される。
→正しい
ステンレス鋼管は隙間腐食が生じることがあるため、適切な施工が必要です。

3.耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、管端防食継手を使用する。
→正しい
耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、管端防食継手を使用します。

管端防食継手とは、ライニング鋼管の管端(パイプの端)の腐食を防ぐために使用される継手のことです。

4.返湯管のない単管式の給湯配管に銅管を用いる場合は、給湯循環配管に用いる場合より腐食の発生する可能性が高い。
→不適当
返湯管のない単管式給湯配管は、常に新鮮な水を使ってお湯を供給するため、返湯管を用いた循環式と比べて配管が腐食する可能性が低いです。

返湯管とは、給湯配管で使われたお湯の一部を再び貯湯槽(ボイラー)に戻すための配管のことです。給湯システムでは、蛇口をひねったときにすぐお湯が出るように、あらかじめお湯を配管内で循環させておく仕組みが取られることがあります。
返湯管があることで、配管内のお湯が常に流れ続けており、お湯の温度が下がりにくくなるだけでなく、蛇口を開けてすぐに温かいお湯が使えるというメリットがあります。
このとき、配管をぐるぐる循環させるために必要なのが「返湯管」です。
主に中央式給湯方式のように配管が長くなる場合に設けられ局所給湯方式のように給湯箇所が近い場合は省略されることが多いです。

5.ステンレス鋼管と銅管の線膨張係数は、ほぼ等しい。
→正しい
ステンレス鋼管と銅管の線膨張係数は、ほぼ等しいです。

【線膨張係数(小さい順)】
銅管、ステンレス管<鋼管<耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管<ポリブデン管、架橋ポリエチレン管

線膨張係数とは、温度変化によって物体がどれだけ膨張または収縮するかを示す値です。数値が大きいほど膨張、収縮しやすい。

解説動画

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