ビル管理士 2020年(R2年) 問118  過去問の解説【給水及び排水の管理】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、1/200以上の下り勾配とする。
2.返湯管に銅管を用いる場合は、潰食を考慮して管内流速を1.2m/s以下とする。
3.ライニング鋼管における単式の伸縮管継手の設置間隔は、50m程度とする。
4.貯湯槽の容量は、ピーク時の必要容量の1~2時間分を目安とする。
5.耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、90℃以下で使用する。

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回答と解説動画

正解は(3)

1.循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、1/200以上の下り勾配とする。
→正しい
循環式給湯設備の下向き配管方式における給湯横主管は、1/200以上の下り勾配とする必要があります。これは、配管内の空気をスムーズに排出できるようにするためです。

2.返湯管に銅管を用いる場合は、潰食を考慮して管内流速を1.2m/s以下とする。
→正しい
返湯管に銅管を使用する場合、潰食防止のため管内流速は1.2m/s以下とするのが推奨されています

「潰食」は、流体の流れが速かったり、衝突したりする場所で発生する腐食の一種で、機械的な摩耗と化学的な腐食が組み合わさって起こる現象です。

3.ライニング鋼管における単式の伸縮管継手の設置間隔は、50m程度とする。
→不適当
伸縮管継手は、配管内の熱膨張による伸縮を吸収し、配管の破損を防ぐために使用される部品です。ライニング鋼管に単式の伸縮管継手を設置する場合、一般的な目安は約30mごとです。
なお、銅管やステンレス鋼管の場合は20m程度となっています。

  • 銅管、ステンレス鋼管:20m
  • ライニング鋼管:30m

4.貯湯槽の容量は、ピーク時の必要容量の1~2時間分を目安とする。
→正しい
貯湯槽の容量は、ピーク時の必要容量の1~2時間分を目安に設定するのが一般的です。

5.耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、90℃以下で使用する。
→正しい
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管は、90℃以下で使用するのが標準です。

樹脂管の使用温度まとめ:

  • 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管:90℃以下
  • ポリブテン管の使用温度:90℃以下
  • 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管:85℃以下
  • 架橋ポリエチレン管:95℃

上記は全て樹脂製の管で、以下のような形状をしています。樹脂なので金属と比べて熱に弱いです。また、樹脂管は使用温度が高くなると、許容圧力は低くなるという特徴があります。

ポリ塩化ビニル管
出典:クボタケミックス
架橋ポリエチレン管
出典:クボタケミックス
ポリブデン管
出典:三和商工

解説動画

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