ビル管理士 2020年(R2年) 問117  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ホテル宿泊部の設計給湯量は、50L/(人・日)程度である。
2.ガス瞬間湯沸器の能力は一般に号数で表され、1号の加熱能力は1.74kWに相当する。
3.厨房における業務用皿洗い機のすすぎ温度は、80℃程度である。
4.中央式給湯設備の給湯栓の給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。
5.貯蔵式湯沸器は、90℃以上の高温湯が得られ、飲用として利用される。

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回答と解説動画

正解は(1)

1.ホテル宿泊部の設計給湯量は、50L/(人・日)程度である。
→不適当
ホテル宿泊部の設計給湯量は、一般的に150~250L/(人・日)が標準的な目安です。よってこの選択肢が誤りです。

施設・用途設計給湯量(目安)
ホテル宿泊部150~250 L/(人・日)
事務所7~10 L/(人・日)
総合病院100~200 L/(床・日)
集合住宅150~300 L/(戸・日)

2.ガス瞬間湯沸器の能力は一般に号数で表され、1号の加熱能力は1.74kWに相当する。
→正しい
ガス瞬間湯沸器に表示されている「〇号」とは、水温を25℃上昇させたお湯を1分間に何リットル出せるかを表しています。
たとえば「16号」の場合、1分間に16リットルの水を25℃上昇させる能力があるという意味です。
また、1号はおおよそ1.74kWの加熱能力に相当します。
したがって、16号なら約27.8kW(1.74 × 16)の加熱能力を持つということになります。

3.厨房における業務用皿洗い機のすすぎ温度は、80℃程度である。
→正しい
業務用食器洗浄機のすすぎ温度は、衛生管理の観点から80℃程度が標準です。高温で洗浄・すすぎを行うことで、食器や調理器具に付着した細菌やウイルスを効果的に除去し、食中毒のリスクを低減するためです。

4.中央式給湯設備の給湯栓の給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。
→正しい
中央式給湯設備の給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上を維持する必要があります。これは、レジオネラ属菌の繁殖を抑制するためです。

レジオネラ菌は、20~50℃で繁殖し、36℃前後で最もよく増殖、55℃以上で死滅する。

5.貯蔵式湯沸器は、90℃以上の高温湯が得られ、飲用として利用される。
→正しい
貯湯式湯沸器は、内部のタンクにあらかじめお湯を貯めておくタイプの装置で、90℃以上の高温湯が得られ給湯栓を開けることで飲用にも適したお湯をすぐに得ることができます(下図左側)。
一方、瞬間式湯沸器(下図右側)はタンクを持たず、水が通過する瞬間に強い熱を加えて加熱する仕組みです。お湯を貯めておく能力はなく、使いたいときにその都度加熱します。

出典:イトミック

解説動画

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