ビル管理士 2020年(R2年) 問110  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給水管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.残留塩素濃度の定期検査は、最もその濃度が低いと考えられる末端給水栓で行う。
2.飲料水系統の給水管における赤水などの恒久対策として、防錆剤を使用する。
3.飲料水系統配管の維持管理においては、管の損傷、錆、腐食及び水漏れの有無を定期に点検することが重要である。
4.給水設備の老朽化に伴って、水量・水圧が減少することがある。
5.水質検査の結果、病原生物などが水質基準を超えて水に含まれ、人の健康を害するおそれがある場合は、直ちに給水停止措置をとる。

回答と解説動画

正解は(2)

1.残留塩素濃度の定期検査は、最もその濃度が低いと考えられる末端給水栓で行う。
→正しい
残留塩素濃度の検査は、最も低くなりやすい場所、つまり水道水の流れの末端にある給水栓で行うのが一般的です。

この「末端給水栓」は、給水方式によって異なります。

  • 高置水槽方式では、最下階の蛇口が末端になる
  • ポンプ直送方式では、最上階の蛇口が末端になる

残留塩素は、水の流れが長いほど減少していくため、末端部で適正値が保たれているかを確認することが大切です。

給水方式の分類については令和6年問115参照

2.飲料水系統の給水管における赤水などの恒久対策として、防錆剤を使用する。
→不適当
飲料水系統の給水管で赤水が発生した場合、防錆剤を使用して一時的に改善することは可能ですが、あくまで応急的な対処法にすぎません。
赤水の主な原因は、老朽化した鉄製の配管から鉄さびが溶け出すことによるものです。
そのため、根本的・恒久的な対策としては、腐食に強い配管(ステンレス鋼管や合成樹脂管など)への更新が適切です。

「恒久対策」とは、問題や不具合が発生した際に、一時的な対策(応急処置)ではなく、その根本原因を突き止め、二度と再発しないように行う対策のことです。

3.飲料水系統配管の維持管理においては、管の損傷、錆、腐食及び水漏れの有無を定期に点検することが重要である。
→正しい
配管の損傷や錆、腐食、水漏れの有無を定期に点検することは、維持管理上非常に重要です。

4.給水設備の老朽化に伴って、水量・水圧が減少することがある。
→正しい
給水設備が老朽化すると、水量や水圧が減少することがあります。ほとんどの設備に同じことが言えますけどね・・。

5.水質検査の結果、病原生物などが水質基準を超えて水に含まれ、人の健康を害するおそれがある場合は、直ちに給水停止措置をとる。
→正しい
病原生物などが基準を超えて検出された場合は、直ちに給水停止措置をとることが義務付けられています。

解説動画

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