問題
建築物の維持管理に関する略語とその内容の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
1. | BCP | 事業継続計画 | |
2. | BEMS | ビルエネルギー管理システム | |
3. | POE | 建築物使用者の観点による性能評価システム | |
4. | LCC | 建物の生涯にわたって必要なすべての費用 | |
5. | CASBEE | 発注者の要求品質を実現するための管理プロセス |
回答と解説動画
正解は(5)
1.BCP 事業継続計画
→正しい
BCP (事業継続計画) とは、自然災害やテロ、システム障害などの緊急事態が発生した場合でも、企業の重要な事業を中断させない、または中断しても早期に復旧させるための計画です。
2.BEMS ビルエネルギー管理システム
→正しい
BEMS(Building Energy Management System、ビル・エネルギー管理システム)とは、ビル内のエネルギー使用量を「見える化」し、効率的な制御を行うことで、省エネやコスト削減を実現するシステムです。
3.POE 建築物使用者の観点による性能評価システム
→正しい
POE(Post Occupancy Evaluation)は、建築物使用者の観点による性能評価(居住後評価)を指します。
4.LCC 建物の生涯にわたって必要なすべての費用
→正しい
建物のライフサイクルコスト(LCC)とは、建物の企画・設計から建設、運用、維持管理、そして解体・廃棄に至るまで、建物の全生涯にわたって必要となるすべての費用のことです。
5.CASBEE 発注者の要求品質を実現するための管理プロセス
→不適当
CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築物の環境性能を評価する日本独自の評価システムであり、発注者の要求品質管理プロセス(=VEやバリューエンジニアリング等)ではありません。
CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築物の環境性能を総合的に評価する日本独自のシステムです。国土交通省が主導し、(一財)建築環境・省エネルギー機構などによって開発・運用されています。
評価対象は、以下の4つの分野に大別されます。
- エネルギー
建築物の省エネルギー性能や再生可能エネルギー利用など。 - 資源・材料
リサイクル材の使用、資源消費の削減、長寿命化など。 - 室内環境
空気質、温熱環境、照明、音環境などの快適性。 - 地域環境
周辺環境との調和、ヒートアイランド対策、生物多様性への配慮など。
これらを総合的に評価し、「S(素晴らしい)」「A(優れている)」「B+」「B-」「C(劣っている)」などのランクで建物の環境性能を表示します。
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