問題
建築物に関連する法令に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 消防法における特定防火対象物にあっては、消防用設備等の設置及び維持に関する規定は、新規に建築される建築物に限られる。 | ||
2. | 高さ31mを超える高層建築物の管理者は、消防法における防火管理者を定め、消防計画を作成する。 | ||
3. | 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー法」という。)でいう建築物特定施設には、出入口、階段、便所がある。 | ||
4. | 建築主は、バリアフリー法における2,000m2以上の特別特定建築物を建築しようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。 | ||
5. | 建築物の耐震改修の促進に関する法律における耐震改修とは、地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕、模様替若しくは一部の除却又は敷地の整備をすることをいう。 |
回答と解説動画
正解は(1)
1.消防法における特定防火対象物にあっては、消防用設備等の設置及び維持に関する規定は、新規に建築される建築物に限られる。
→不適当
消防法第17条では、特定防火対象物(ホテル、病院、福祉施設、地下街等)の関係者に対し、消防用設備等の設置および維持を義務付けています。これは新規建築物だけでなく、既存の建築物にも適用されます。また、法改正時には既存建物にも新基準が遡及適用されます。
2.高さ31mを超える高層建築物の管理者は、消防法における防火管理者を定め、消防計画を作成する。
→正しい
消防法において、防火管理者の選任義務は「収容人員が30人以上の特定防火対象物」などが対象であり、建物の高さだけで義務が決まるわけではありません。
つまり、「高さ31mを超える高層建築物」であっても、収容人員が少なければ防火管理者の選任義務は生じません。
一方で、高層建築物は一般的に大規模で多くの人が利用するため、防火管理者の選任と消防計画の作成が求められるケースが多いため正解と考えることもできます。
もしかしたら、統括防火管理者のことを言いたかったのかも?(この問題に関しては選択肢1があきらかな誤りなので何とか正解できそうですが・・)
(消防法第八条の二)
高層建築物(高さ三十一メートルを超える建築物をいう。第八条の三第一項において同じ。)その他政令で定める防火対象物で、その管理について権原が分かれているもの又は地下街(地下の工作物内に設けられた店舗、事務所その他これらに類する施設で、連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたものをいう。以下同じ。)でその管理について権原が分かれているもののうち消防長若しくは消防署長が指定するものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちからこれらの防火対象物の全体について防火管理上必要な業務を統括する防火管理者(以下この条において「統括防火管理者」という。)を協議して定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物の全体についての消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、当該防火対象物の廊下、階段、避難口その他の避難上必要な施設の管理その他当該防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行わせなければならない。
3.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー法」という。)でいう建築物特定施設には、出入口、階段、便所がある。
→正しい
バリアフリー法における建築物特定施設には、出入口、階段、便所などが含まれます。
4.建築主は、バリアフリー法における2,000m2以上の特別特定建築物を建築しようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。
→正しい
2,000m²以上の特別特定建築物の新築等には、建築物移動等円滑化基準への適合が義務付けられています。
5.建築物の耐震改修の促進に関する法律における耐震改修とは、地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕、模様替若しくは一部の除却又は敷地の整備をすることをいう。
→正しい
耐震改修促進法における耐震改修の定義は、記載の通りです。
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