ビル管理士 2020年(R2年) 問102  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

建築物の避難計画、避難施設等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.高層ビルなどに設けられる特別避難階段とは、防排煙対策が講じられた安全性の高い直通階段のことである。
2.すべり台や避難ロープは、消防法で定められている避難器具に含まれる。
3.非常用の照明装置における避難上有効な照度は、光源がLEDランプの場合、白熱電灯の倍の2lx以上としなくてはならない。
4.高層ビルでは避難の完了に時間を要するため、誘導灯の点灯継続時間は60分と定められている。
5.高層ビルの避難計画では、効率的な避難が行えるよう、2以上の避難階段は、できるだけ近接して配置するのが望ましい。

回答と解説動画

正解は(5)

1.高層ビルなどに設けられる特別避難階段とは、防排煙対策が講じられた安全性の高い直通階段のことである。
→正しい
特別避難階段とは、火災発生時に、階段室への煙や炎の侵入を防ぎ、安全な避難を確保するための避難階段のことです。屋内と階段室の間に、外気に面した窓や排煙設備のある付室(またはバルコニー)を設けることで、緩衝地帯を設け、安全性を高めています。
以下の画像のように、特別避難階段では、室内から避難階段にいくためにバルコニーや屋外などを経由する必要があります。

出典:仙台市

2.すべり台や避難ロープは、消防法で定められている避難器具に含まれる。
→正しい
すべり台や避難ロープは、消防法で定められている避難器具の一種です。

すべり台
出典:株式会社 三陽
避難ロープ
出典:株式会社ヤマカツ

3.非常用の照明装置における避難上有効な照度は、光源がLEDランプの場合、白熱電灯の倍の2lx以上としなくてはならない。
→正しい
非常用照明の照度は白熱灯の場合1lx以上、LEDや蛍光灯の場合は2lx以上とされています。これはLEDや蛍光灯が高温時に明るさが低下しやすいためです。

4.高層ビルでは避難の完了に時間を要するため、誘導灯の点灯継続時間は60分と定められている。
→正しい
高層建築物や大規模施設では、誘導灯の点灯継続時間を60分以上とすることが定められています。
具体的な施設としては、15階建て以上で3万㎡以上、または総床面積が5万㎡以上の防火対象物、1000㎡以上の地下街などが対象となります。
なお、通常の建物に設置される誘導灯の点灯継続時間は「20分以上」です。
ご存知だと思いますが、誘導灯とは以下の画像のような設備のことです。

誘導灯とは、火災などの非常時に、建物内にいる人々が安全に避難できるよう、避難口や避難経路を示す照明器具のことです。

5.高層ビルの避難計画では、効率的な避難が行えるよう、2以上の避難階段は、できるだけ近接して配置するのが望ましい。
→不適当
2以上の避難階段は、火災時に一方が使えなくなった場合でも他方から避難できるよう、適切な距離をとって配置するのが原則です。近接して配置するのは望ましくありません。

解説動画

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