ビル管理士 2019年(R1年) 問92  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

日射・日照に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.太陽から放射される可視光線、紫外線、近赤外線のうち、紫外線の波長が最も短い。
2.遮熱性塗料や遮熱性舗装の特徴は、近赤外線の反射率が大きいことである。
3.天空日射とは、太陽光が大気中で散乱して、地上に降りそそいだものである。
4.夏至の晴天日において、南向き鉛直壁面の日積算日射受熱量は、札幌の方が那覇より多い。
5.日影曲線とは、冬至の日において、地面に垂直な単位長さの棒が水平面に落とす影を時間別に描いたものである。

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回答

正解は(5)

1.太陽から放射される可視光線、紫外線、近赤外線のうち、紫外線の波長が最も短い。
→正しい
紫外線は波長が短く(概ね約100〜400 nm)、可視光(約380〜780 nm)赤外線(780~1000 nm)より短波長です。

ついでに電磁波の波長順も覚えましょう。
電波(長波・中波・短波)>赤外線>可視光線>紫外線>X線・γ線(電離放射線)

2.遮熱性塗料や遮熱性舗装の特徴は、近赤外線の反射率が大きいことである。
→正しい
太陽放射のうち熱エネルギーが大きいのは近赤外線成分です。そのため、近赤外線を効率よく反射できると表面温度上昇を抑えられるため、遮熱材では近赤外線の反射性を高めることが重要です。

3.天空日射とは、太陽光が大気中で散乱して、地上に降りそそいだものである。
→正しい
天空日射は、太陽直達光以外の散乱光のことを指し、全天から来る拡散した日射を意味します。

太陽直達光とは、太陽光が太陽から直接、大気中で散乱や反射されることなく地表面に到達する日射のこと

4.夏至の晴天日において、南向き鉛直壁面の日積算日射受熱量は、札幌の方が那覇より多い。
→正しい
南向きの鉛直面(壁面)に対する入射は太陽の高度に依存します。夏至では那覇で太陽高度が非常に高く、鉛直面(壁面)にはほとんど日光が当たりません。一方、札幌では太陽高度が低めで、南向き鉛直面(壁面)への入射角が那覇と比べて大きくなるため、南面鉛直壁面の積算受熱量は札幌の方が大きくなります。

ヘタ・レイ

ようは、那覇では太陽光が真上から降り注ぐけど、同じ時間の札幌では斜めから太陽光が降り注ぐため、壁面の受熱量は札幌のほうが多いことになります。

5.日影曲線とは、冬至の日において、地面に垂直な単位長さの棒が水平面に落とす影を時間別に描いたものである。
→不適当
日影曲線(ひかげきょくせん)とは、地表に垂直に立てた棒の影の先端が、太陽の動きによって1日の間に描く軌跡を平面上に描いた曲線です。
特定の日(冬至)に限定される定義ではなく、夏至、春分と秋分など季節ごとに測定することで、太陽の動きの変化を確認することができます。
なお、日影図の作成においては、冬至の日に測定した日影曲線が利用されます。

日影図とは、建物が周囲にどのような影を落とすかを、時間ごとに平面図上で示す図面のこと。日影規制への適合確認や住民説明などに使われる。

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