ビル管理士 2019年(R1年) 問91  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

都市の熱環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.COP21において、温室効果ガス削減の枠組みとなるパリ協定が採択された。
2.CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の評価対象は、エネルギー消費、資源循環、地域環境、室内環境の4分野である。
3.熱帯夜とは、夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上の日をいう。
4.ストリートキャニオンは、風の弱い日にも熱や汚染物質の拡散能力が高い。
5.都市化により、都市の中心部の気温が郊外と比較して高くなる現象をヒートアイランド現象という。

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回答

正解は(4)

1.COP21において、温室効果ガス削減の枠組みとなるパリ協定が採択された。
→正しい
パリ協定は、2015年にフランス・パリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されました。
先進国・途上国を問わず温室効果ガス排出削減に向けた取り組みが求められています。 

2.CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の評価対象は、エネルギー消費、資源循環、地域環境、室内環境の4分野である。
→正しい
CASBEEとは、建築物の省エネ性能や快適性、景観への配慮などを総合的に評価するシステムです。
エネルギー消費(省エネ性能)、資源循環(廃棄物削減やリサイクル)、地域環境(周辺への影響)、室内環境(快適性・健康性)の4分野を主に評価対象としています。

CASBEE(建築環境総合性能評価システム)について

CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築物の環境性能を総合的に評価する日本独自のシステムです。国土交通省が主導し、(一財)建築環境・省エネルギー機構などによって開発・運用されています。

評価対象は、以下の4つの分野に大別されます。

  1. エネルギー
    建築物の省エネルギー性能や再生可能エネルギー利用など。
  2. 資源・材料
    リサイクル材の使用、資源消費の削減、長寿命化など。
  3. 室内環境
    空気質、温熱環境、照明、音環境などの快適性。
  4. 地域環境
    周辺環境との調和、ヒートアイランド対策、生物多様性への配慮など。

これらを総合的に評価し、「S(素晴らしい)」「A(優れている)」「B+」「B-」「C(劣っている)」などのランクで建物の環境性能を表示します。

3.熱帯夜とは、夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上の日をいう。
→正しい
熱帯夜は、前日の日没から翌朝までの間で最低気温が25℃以上となる夜のことです。都市部ではヒートアイランド現象の影響で夜間の放射冷却が抑制され、熱帯夜の発生頻度が増える傾向にあります。

4.ストリートキャニオンは、風の弱い日にも熱や汚染物質の拡散能力が高い。
→不適当
ストリートキャニオンとは、高層建物が並び道路が峡谷のような形になった都市空間のことです。
この構造では風通しが悪く、排気ガスや熱が滞留しやすくなり拡散能力は低くなります。

5.都市化により、都市の中心部の気温が郊外と比較して高くなる現象をヒートアイランド現象という。
→正しい
ヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が、その周辺の郊外よりも高くなる現象のことです。都市化が進むにつれて、建物やアスファルトで覆われる面積が増え、人工的な排熱が増加することで、都市の気温が上昇します。

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