ビル管理士 2019年(R1年) 問175  過去問の解説【ねずみ、昆虫等の防除】

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問題

ねずみ用の薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.殺鼠剤により死亡したネズミから、ハエなどが発生することがある。
2.配置された毒餌から、シバンムシ類などの食品害虫が発生することがある。
3.クマテトラリルは、第1世代の抗凝血性殺鼠剤である。
4.シクロヘキシミドには、処理区域からネズミを追い出す効果はない。
5.ドブネズミでは、抗凝血性殺鼠剤に対する抵抗性を獲得した集団は報告されていない。

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回答

正解は(5)

1.殺鼠剤により死亡したネズミから、ハエなどが発生することがある。
→正しい
死亡したネズミの死体はハエなどの発生源となり得るため、適切に回収する必要があります。

2.配置された毒餌から、シバンムシ類などの食品害虫が発生することがある。
→正しい
毒餌が放置されると、乾燥食品害虫などが発生・繁殖することがあるため、適切に管理する必要があります。

3.クマテトラリルは、第1世代の抗凝血性殺鼠剤である。
→正しい
クマテトラリルは第1世代の抗凝血性殺鼠剤に分類され、複数回摂取で効果を示す特性があります。

4.シクロヘキシミドには、処理区域からネズミを追い出す効果はない。
→正しい
シクロヘキシミドは、ねずみの忌避剤(かじり防止)として使われますが、追い出すような効果はありません。

5.ドブネズミでは、抗凝血性殺鼠剤に対する抵抗性を獲得した集団は報告されていない。
→不適当
ドブネズミを含むネズミ類では、抗凝血性殺鼠剤に対する抵抗性が報告されています。そのため、第二世代の抗凝血性殺鼠剤であるジフェチアロールが開発されました。

殺鼠剤の種類

殺鼠剤は、抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤、動物用医薬部外品の4つに分類されます。

上記のうち、「動物用医薬部外品」は農林水産省の管轄で、「抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤」は防除用医薬部外品に該当し厚生労働省の管轄となります。
※動物用医薬部外品は建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できません

  • 第1世代ー抗凝血性殺鼠剤
    血液が凝固する時間を遅くすることで、出血死させることができる。
    効果は遅効性で、3~7日程度連続して摂取させる必要がある。
    以下のような種類があります。
    • ワルファリン(抵抗力をもつネズミ・スーパーラットが出現している)
    • フマリン
    • クマテトラリル
  • 第2世代ー抗凝血性殺鼠剤
    第1世代の殺鼠剤に抵抗をもつスーパーラット対策として開発された強力な殺鼠剤。
    効果は第1世代でと同じで、血液が凝固する時間を遅くして出血死させることだが、1回だけ摂取させれば効果が得られる点が大きな違いとなる。
    以下のような種類があります。
    • ジフェチアロール
  • 急性殺鼠剤
    急性殺鼠剤とは、ネズミが摂取してから数時間で効果が現れる。即効性が特徴で、大量発生しているネズミの駆除に有効です。
    以下のような種類があります。
    • ノルボルマイド
    • シリロシド
    • リン化亜鉛
  • 動物用医薬部外品
    ワルファリンなどに抵抗性をもったネズミにも効果がある。
    防除用医薬部外品の承認が出ていないため建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できず、畜舎に発生するネズミなどに使用する。
    以下のような種類があります。
    • ブロマジオロン製剤
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