問題
ねずみ用の薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | ブロマジオロン製剤は、動物用医薬部外品として承認されている。 | ||
2. | ジフェチアロールは、第2世代の抗凝血性殺鼠剤である。 | ||
3. | 粉剤は、餌材料にまぶして、毒餌として利用することができる。 | ||
4. | リン化亜鉛は、致死させるために、複数回摂取させる必要がある。 | ||
5. | カプサイシンは、忌避剤で、かじり防止などの目的で使用される。 |
回答
正解は(4)
1.ブロマジオロン製剤は、動物用医薬部外品として承認されている。
→正しい
ブロマジオロンは、ワルファリンなどに抵抗性をもったネズミにも効果がある殺鼠剤ですが、防除用医薬部外品の承認が出ていないため動物用医薬部外品として承認されています。
そのため、建築物衛生法に基づく特定建築物内(ビルなど)で使用できず畜舎に発生するネズミなどに使用します。
2.ジフェチアロールは、第2世代の抗凝血性殺鼠剤である。
→正しい
ジフェチアロールは第2世代の抗凝血性殺鼠剤で、強い毒性と持続性を持ちます。1回だけ摂取させれば、ネズミの血液凝固作用を低下させ数日で出血死させることができる。
3.粉剤は、餌材料にまぶして、毒餌として利用することができる。
→正しい
粉剤は餌材料に混ぜたりして毒餌を作製する用途で用いられることができます。
4.リン化亜鉛は、致死させるために、複数回摂取させる必要がある。
→不適当
リン化亜鉛は急性殺鼠剤に分類され、摂取してから数時間で効果が現れます。複数摂取させる必要があるのは、第1世代の抗凝血性殺鼠剤です。
5.カプサイシンは、忌避剤で、かじり防止などの目的で使用される。
→正しい
カプサイシンはネズミの忌避剤やかじり防止剤として使用されています。
※カプサイシンは唐辛子に含まれている成分です。
殺鼠剤は、抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤、動物用医薬部外品の4つに分類されます。
上記のうち、「動物用医薬部外品」は農林水産省の管轄で、「抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤」は防除用医薬部外品に該当し厚生労働省の管轄となります。
※動物用医薬部外品は建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できません
- 第1世代ー抗凝血性殺鼠剤
血液が凝固する時間を遅くすることで、出血死させることができる。
効果は遅効性で、3~7日程度連続して摂取させる必要がある。
以下のような種類があります。- ワルファリン(抵抗力をもつネズミ・スーパーラットが出現している)
- フマリン
- クマテトラリル
- 第2世代ー抗凝血性殺鼠剤
第1世代の殺鼠剤に抵抗をもつスーパーラット対策として開発された強力な殺鼠剤。
効果は第1世代でと同じで、血液が凝固する時間を遅くして出血死させることだが、1回だけ摂取させれば効果が得られる点が大きな違いとなる。
以下のような種類があります。- ジフェチアロール
- 急性殺鼠剤
急性殺鼠剤とは、ネズミが摂取してから数時間で効果が現れる。即効性が特徴で、大量発生しているネズミの駆除に有効です。
以下のような種類があります。- ノルボルマイド
- シリロシド
- リン化亜鉛
- 動物用医薬部外品
ワルファリンなどに抵抗性をもったネズミにも効果がある。
防除用医薬部外品の承認が出ていないため建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できず、畜舎に発生するネズミなどに使用する。
以下のような種類があります。- ブロマジオロン製剤
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