ビル管理士 2019年(R1年) 問167  過去問の解説【ねずみ、昆虫等の防除】

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問題

蚊の防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ULV処理は、成虫に対する速効性が認められる。
2.ライトトラップや粘着トラップで捕獲した成虫の数は、維持管理の状態を評価するために重要である。
3.クレゾールなどの殺菌剤を含む製剤は、浄化槽内の微生物に影響を及ぼすおそれがある。
4.殺虫剤による防除効果が得られない場合には、殺虫剤抵抗性の発達を考慮する必要がある。
5.樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれていない空間であっても、殺成虫効果が期待できる。

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回答

正解は(5)

1. ULV処理は、成虫に対する速効性が認められる。
→正しい
ULV(Ultra Low Volume)処理は、少量の高濃度の殺虫剤を、超微粒子状にして空間に噴霧し、成虫に吸入・接触させて駆除する方法です。
この方法は成虫に対して高い速効性があります。

ULV噴霧器
出典:ミライズ

2. ライトトラップや粘着トラップで捕獲した成虫の数は、維持管理の状態を評価するために重要である。
→正しい
捕獲された蚊の数は、発生状況や施設の衛生環境の良否を示す指標となります。

ライトトラップは、虫が好む特定の波長の光(主に紫外線)で誘引し、粘着シートや電撃で捕獲する装置

粘着トラップとは、害虫を捕獲するための粘着剤を塗布したシートやテープのこと

3. クレゾールなどの殺菌剤を含む製剤は、浄化槽内の微生物に影響を及ぼすおそれがある。
→正しい
クレゾールなどを含む殺虫剤は、浄化槽内の微生物に悪影響を与えるため、使用を避けるべきです。
浄化槽は、微生物の働きを利用して汚水を浄化するため、殺虫剤で微生物を殺してしまうと、浄化機能を低下させる可能性があります。

4. 殺虫剤による防除効果が得られない場合には、殺虫剤抵抗性の発達を考慮する必要がある。
→正しい
同一成分の殺虫剤を長期間・頻繁に使用すると薬剤に対する抵抗性が発達し、効果低下を招くおそれがあります。そのため、殺虫剤の作用機構が異なる薬剤を順番に使用するなど、抵抗性の発達をおさえる工夫が必要です。

5. 樹脂蒸散剤は、密閉性が保たれていない空間であっても、殺成虫効果が期待できる。
→不適当
ジクロルボスなどの樹脂蒸散剤は、揮散した有効成分の濃度が一定以上であることで効果を発揮します。換気の良い(密閉性が保たれていない)空間では濃度が下がりやすく、十分な殺成虫効果が得られにくいため、この記述は誤りです。

樹脂蒸散剤(殺虫プレート)
使用例
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