ビル管理士 2019年(R1年) 問105  過去問の解説【建築物の構造概論】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.劇場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
2.床面積とは、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積である。
3.耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために、建築物の部分に必要な性能のことをいう。
4.建築主事は、建築基準法の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。
5.直通階段とは、建築物の避難階以外の階の居室から、避難階又は地上に直通する階段のことをいう。

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回答

正解は(4)

1. 劇場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
→正しい
避難安全の観点から、劇場や集会場の客席からの出口の戸は外開きでなければなりません。(パニック時は押すほうが開けやすいため)

(建築基準法施行令 第118条)
劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。

2. 床面積とは、建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積である。
→正しい
建築基準法では、床面積を「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」と定義しています。外壁や区画壁の中心線を基準として計算します。

出典:貸倉庫東京R

(建築基準法施行令 第2条)
三 床面積 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。

3. 耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために、建築物の部分に必要な性能のことをいう。
→正しい
耐火性能は、火災時に建物の倒壊や延焼を防止するために、壁・柱・床などの建築物の部分に求められる性能です。

4. 建築主事は、建築基準法の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。
→不適当
建築主事ではなく特定行政庁です。

特定行政庁とは、建築主事を置く地方公共団体(市町村)の長、または建築主事を置かない市町村の区域については都道府県知事のことです。建築確認申請の審査や建築許可・認可、違反建築物への是正命令など、建築行政の重要な権限を持つ行政機関です。 

建築主事とは、建築物を建てる際に建築基準法への適合性を審査・確認する地方公務員です。主に都道府県または市町村に設置され、建築確認申請の受付、建築物の中間検査・完了検査の実施、現場調査などを行います。

ヘタ・レイ

上の解説を読めばわかると思いますが、建築主事は建築の確認などを行い、特定行政庁は許可や命令などを行う権限があります。

(建築基準法 第9条)
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

5. 直通階段とは、建築物の避難階以外の階の居室から、避難階又は地上に直通する階段のことをいう。
→正しい
直通階段は、避難階に直接通じる階段であり、避難階以外の階から避難階や地上に直接通じる構造として設けられます。

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