ビル管理士 2019年(R1年) 問103  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.建築物とは、土地に定着する工作物であることが前提である。
2.鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設は、建築物から除かれる。
3.建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の模様替えは、大規模の模様替えである。
4.敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地である。
5.集団規定による建築物の制限として、用途地域による建築物の用途制限がある。

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回答

正解は(3)

1. 建築物とは、土地に定着する工作物であることが前提である。
→正しい
建築物とは、建築基準法において「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」とされています。

2. 鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設は、建築物から除かれる。
→正しい
建築基準法における「建築物」は土地に定着する工作物ですが、鉄道や軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設は、建築基準法の適用除外となっており、「建築物」には含まれません。

(建築基準法 第二条)
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。

3. 建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の模様替えは、大規模の模様替えである。
→不適当
大規模の模様替えとは、建築基準法で定められた「建築物の主要構造部の一種以上について、過半の変更を行う工事」のことです。主要構造部とは壁、柱、床、梁、屋根、階段などが該当します。
問題文では、構造上重要でない間仕切壁となっているため誤りとなります。

用語内容・定義
新築建築物が存在しない土地(更地)に新たに建築物を建てること。
増築既存の建築物に床面積を増加させる行為。
改築既存建築物の全部または一部を除却し、従前と構造・規模・用途が著しく異ならないものを建てること。
移転同一敷地内で建築物の位置を変更すること。
修繕既存の建築物の部分を、従前と同じ材料・仕様で直すこと。
大規模修繕建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕。
模様替既存の建築物の部分について、異なる材料や仕様を用いて造り替えること(形状・寸法が変わる場合も含む)。
大規模模様替建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替。

4. 敷地とは、一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地である。
→正しい
一つの土地に一つの建築物がある場合や、一つの土地に二つ以上の建築物がある場合でも、それらが機能的に切り離せない関係にある場合は、それらの土地全体を一つの敷地とみなします。例えば、住宅と離れのような関係が該当します。

(建築基準法施行令 第一条)
1 敷地 一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。

5. 集団規定による建築物の制限として、用途地域による建築物の用途制限がある。
→正しい
建築基準法における集団規定とは、敷地全体や周囲の環境との関係で建築物の規模・配置・用途を制限する規定を指します。
用途地域はこの集団規定の代表例で、都市計画法に基づいて、街の住みやすさや機能的な活動を確保するために、土地の用途(住む、働く、商売する、工場を建てるなど)を13個に分類し、建物の種類や大きさ、高さなどを制限する制度です。

ヘタ・レイ

用途地域は宅建などで出題される知識です。ビル管試験ではこれが初なので、深く追求しなくてもいいかも。

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