危険物取扱者の資格制度【危険物乙4テキスト】
危険物取扱者とは、危険物取扱者試験に合格し免状の交付を受けた者のことで、危険物の取り扱いや定期点検、保安の確保などが主な責務となります。
なお、危険物取扱者は扱える危険物の種類によって分類があり、試験内容もそれぞれ違います。
ここでは資格の分類によって出来ることの違いや、免状交付の手続きなどについて解説します。
免状の分類と出来ること
以前の記事で、危険物取扱者には1~6類までの分類があることを学習しましたが、これは乙種の中で細分化されたものです。
乙種以外にも甲種と丙種があり、扱える危険物は以下の表のとおりとなっています。
免状の分類 | 扱える危険物 | 立ち会い |
甲種 | すべての危険物 | すべての危険物で立ち会い可能 |
乙種 | 免状に記載されている1~6類までの危険物のみ | 免状に記載されている1~6類までの危険物のみ立ち会いが可能 |
丙種 | 4類で扱える危険物の一部 | 立ち会いは不可 |
甲種は全ての危険物を扱えるため危険物取扱者最強の資格です。
また、丙種はガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、巡回油及び引火点130℃以上のもの)、第4石油類及び動植物油類のみ扱うことが出来ます。つまり、乙種4類で扱える危険物のうち、一部だけが対象という事です。
ちなみに、危険物取扱者の免状を所持していない無資格者は、危険物の取り扱いをすることは出来ません。
しかし、危険物取扱者が立ち会う事によって、無資格者でもその危険物取扱者が保有している免状の範囲内で危険物の取り扱い業務などに従事できるようになります。
ただし、丙種にこの権限はありませんので覚えておいてください。
免状の交付等の手続き
危険物取扱者の試験に合格したら、試験を行った都道府県知事に免状の交付申請をします。
免状の記載事項
- 氏名
- 生年月日
- 本籍地
- 免状番号
- 免状の交付年月日
- 免状の交付番号
- 都道府県知事(交付・書き換え)
- 取得した免状の種類(甲種、乙種〇類など)
- 顔写真(10年以内に撮影したもの)
なお、免状に記載されている内容(氏名・本籍地・顔写真の10年経過)に変更が生じた場合、免状の書き換えが必要になります。
書き換えの申請先は、免状を交付した都道府県知事、または居住地・勤務地の都道府県知事です。
免状を亡失(失くすこと)したり破損した場合は、免状の交付・書き換えをした都道府県知事に再交付の申請をします。なお、免状を破損した場合で免状が手元にある場合は、その免状を添付して申請します。
また、亡失した免状を発見した場合は、10日以内に発見した免状を再交付申請をした都道府県知事に提出することになっています。
免状の返納および不交付
消防法または消防法に基づく命令に違反すると、免状を交付した都道府県知事から免状の返納を命じられます。返納命令を受けた者は危険物取扱者の資格を失います。
また、危険物取扱者の試験に合格しても、以下の2パターンに該当する者には、都道府県知事は免状の交付は行わないことが出来ます。
- 免状の返納を命じられてから1年を経過していない者
- 消防法または消防法に基づく命令に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わって2年を経過していない者
普通の返納命令なら1年ですが、罰金刑以上だと2年になります!暗記必須です!
保安講習
危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は、都道府県知事が行う保安講習を定期的に受講しなくてはいけません。(保安講習は全国どこでも受講可能です)
なお、新たに危険物の取扱作業に従事することになった者は、従事開始日から1年以内に受講しなくてはいけませんが、その後は継続して従事する者に関しては、受講した日以降最初の4月1日から3年以内ごとに1回受講すれば良くなります。
ちなみに、免状を持っているだけで取扱作業に従事していない者や、指定数量未満の危険物の取り扱いに従事している者には受講義務がありません。
なお、受講すべき期間内に保安講習を受講しないと、都道府県知事より免状の返納を命じられることがあります。
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