ビル管理士試験で出題される床材の特徴などをまとめました。
目次
弾性床材
弾性床材は、ゴムのような弾力性があり、歩行時の衝撃を吸収するため、足腰への負担を軽減し、歩行音も静かになるという特徴があります。また、滑りにくく安全性が高い、汚れが詰まりにくい、メンテナンスが容易などのメリットもあります。
リノリウム、リノタイル
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- 天然素材(アマニ油、石灰岩、松やに、木の粉、コルク粉)を原料としている
- 滑らかな質感で滑りにくく弾力もある
- 抗菌性があり多孔質
- アルカリ性洗剤に弱い
- 水に弱い
- 剥離剤により変色する
アスファルトタイル
- 耐水性がある
- 耐溶剤性に乏しい
ゴムシール、ゴムタイル
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- 天然ゴム、合成ゴムを原料としている
- 耐摩耗性に優れる
- 溶剤、強アルカリ性洗剤の影響を受ける
- 剥離剤によって変色する
塩化ビニルタイル、塩化ビニルシート

- 塩化ビニルを原料としている
- 剥離剤や洗剤に対して耐性が大きい
- 耐水性がある
- 素材を柔らかくするために可塑剤(かそざい)が使用されている
- 可塑剤によって床維持材と密着不良を起こす
木質系床材
- 水分により膨張と収縮を繰り返し、割れや隙間を生じやすい
- アルカリ性洗剤の使用は、床材を黒く変色させる
- 広葉樹は針葉樹に比べ木質が硬い
- シールされていない床材は、油性の保護剤で管理する
- 体育館の木質床材は、ポリウレタン樹脂などによりシール加工されている
- 体育館の床は文部科学省からの通知により水拭きとワックス掛けが禁止されている
- 表面仕上げは、単層フローリングと複合フローリングで違う

硬性床材
硬性床材とは、硬くて丈夫な特性を持つ床材のことです。具体的には、タイル、石材、コンクリートなどが挙げられます。弾性床材に比べて硬く、耐久性や耐水性に優れているため、水回りの床や、人が多く行き交う場所によく使用されます。
大理石
- 変成岩の一種
- 吸水率が低い
- 耐酸性、耐アルカリ性に乏しい
- 洗浄するなら中性洗剤を使う
花崗岩
- 火成岩の一種
- 非常に硬い
- アルカリ、酸、油に耐性がある
- 耐熱性に乏しい
テラゾ
- 大理石や花崗岩などの石材を砕いてセメントや樹脂で固めたもの
- 耐酸性に乏しい
セラミックタイル
- 土や石などの無機物を高温で焼き固めたもの
- 耐酸性、耐アルカリ性がある
- 耐摩耗性も高い
- 吸水性が低い
モルタル、コンクリート
- 砂利、砂、セメントなどが原料
- 耐酸性に乏しい
- 表面に凹凸が多い
繊維床材(カーペット)

繊維床材とはカーペットのことで、近年ではオフィスなどでよく利用されています。
ベースとなる基布と、パイル(毛足のこと)から構成され、吸水性が高いものは汚れやすいという特徴があります。
パイルの素材としては、ウール、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレンなどがある。
- パイルの空隙に土砂やほこりが堆積しやすい
繊維床材の素材まとめ
繊維床材として使用される素材をまとめました。
- ウール素材は、耐久性が高いが、吸水性がかなり高いため親水性の汚れがしみになりやすい
- ナイロン素材は、耐久性が高いが、吸水性が高いため親水性の汚れがしみになりやすい
- アクリル素材は、耐久性が低いが、吸水性が低いため親水性の汚れがしみになりにくい
- ポリエステル素材は、耐久性は中程度で、吸水性も低めなので親水性の汚れがしみになりにくい
- ポリプロピレン素材は、耐久性が低く復元力に乏しいが、吸水性が低いため親水性の汚れがしみになりにくい
上記文章を下の表にまとめました。
素材 | 耐久性 | 吸水性 |
ウール素材 | 高い | かなり高い |
ナイロン素材 | 高い | 高い |
アクリル素材 | 低い | かなり低い |
ポリエステル素材 | 中程度 | 低い |
ポリプロピレン素材 | 低い | かなり低い |
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