ビル管理士 2020年(R2年) 問105  過去問の解説【建築物の構造概論】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

建築物の維持管理に関する略語とその内容の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.BCP    事業継続計画
2.BEMS   ビルエネルギー管理システム
3.POE    建築物使用者の観点による性能評価システム
4.LCC    建物の生涯にわたって必要なすべての費用
5.CASBEE  発注者の要求品質を実現するための管理プロセス

回答と解説動画

正解は(5)

1.BCP     事業継続計画
→正しい
BCP (事業継続計画) とは、自然災害やテロ、システム障害などの緊急事態が発生した場合でも、企業の重要な事業を中断させない、または中断しても早期に復旧させるための計画です。

2.BEMS    ビルエネルギー管理システム
→正しい
BEMS(Building Energy Management System、ビル・エネルギー管理システム)とは、ビル内のエネルギー使用量を「見える化」し、効率的な制御を行うことで、省エネやコスト削減を実現するシステムです。

3.POE     建築物使用者の観点による性能評価システム
→正しい
POE(Post Occupancy Evaluation)は、建築物使用者の観点による性能評価(居住後評価)を指します。

4.LCC     建物の生涯にわたって必要なすべての費用
→正しい
建物のライフサイクルコスト(LCC)とは、建物の企画・設計から建設、運用、維持管理、そして解体・廃棄に至るまで、建物の全生涯にわたって必要となるすべての費用のことです。

5.CASBEE   発注者の要求品質を実現するための管理プロセス
→不適当
CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築物の環境性能を評価する日本独自の評価システムであり、発注者の要求品質管理プロセス(=VEやバリューエンジニアリング等)ではありません。

CASBEE(建築環境総合性能評価システム)について

CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)は、建築物の環境性能を総合的に評価する日本独自のシステムです。国土交通省が主導し、(一財)建築環境・省エネルギー機構などによって開発・運用されています。

評価対象は、以下の4つの分野に大別されます。

  1. エネルギー
    建築物の省エネルギー性能や再生可能エネルギー利用など。
  2. 資源・材料
    リサイクル材の使用、資源消費の削減、長寿命化など。
  3. 室内環境
    空気質、温熱環境、照明、音環境などの快適性。
  4. 地域環境
    周辺環境との調和、ヒートアイランド対策、生物多様性への配慮など。

これらを総合的に評価し、「S(素晴らしい)」「A(優れている)」「B+」「B-」「C(劣っている)」などのランクで建物の環境性能を表示します。

解説動画

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次