問題
建築設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
1. | 常時遠隔監視・管理が行われているエレベータは、所有者による特定行政庁への定期点検報告は不要である。 | ||
2. | 都市ガスの保守管理において、配管、ガス栓、ガス漏れ警報器の日常点検は、ガス設備の所有者又は使用者が行う必要がある。 | ||
3. | 分散電源システムとは、商用電源が止まった場合においても給電できる自家発電設備や蓄電池で構成されるシステムのことである。 | ||
4. | 建築物の不動産価値を評価するためのデューディリジェンスにおいては、建物の躯体・設備の現況が重要で、維持管理状態や稼働状況の記録は不要である。 | ||
5. | ESCO(Energy Service Company)事業のシェアード・セービング方式とは、顧客が自己投資により設備機器を導入し、ESCO事業者が削減効果を保証する方式である。 |

回答と解説動画
正解は(2)
1.常時遠隔監視・管理が行われているエレベータは、所有者による特定行政庁への定期点検報告は不要である。
→不適当
遠隔監視だけでは、法令で求められる定期点検や報告の義務を免除されることはありません。定期点検には現地での外観検査などが必要であり、所有者は定期報告の義務を負います。
2.都市ガスの保守管理において、配管、ガス栓、ガス漏れ警報器の日常点検は、ガス設備の所有者又は使用者が行う必要がある。
→適当
都市ガス設備の保守管理においては、配管やガス栓、ガス漏れ警報器などの日常的な点検は、所有者や使用者自身が行うことが求められています。安全のため、日常点検の実施は重要です。
3.分散電源システムとは、商用電源が止まった場合においても給電できる自家発電設備や蓄電池で構成されるシステムのことである。
→不適当
分散電源システムとは、太陽光発電や風力発電などの小規模な発電設備を需要地近くに分散配置する電力供給の仕組みです。主に再生可能エネルギーを利用した「常用の発電設備」として導入され、商用電源の補助的な役割も果たしますが、非常用やバックアップ用だけを目的としたシステムではありません。
4.建築物の不動産価値を評価するためのデューディリジェンスにおいては、建物の躯体・設備の現況が重要で、維持管理状態や稼働状況の記録は不要である。
→不適当
デューディリジェンスでは、現況だけでなく、維持管理状態や設備の稼働状況の記録も重要な評価項目です。記録が不要という記述は誤りです。
5.ESCO(Energy Service Company)事業のシェアード・セービング方式とは、顧客が自己投資により設備機器を導入し、ESCO事業者が削減効果を保証する方式である。
→不適当
ESCO事業のシェアード・セービング方式は、顧客が自己投資で設備を導入するのではなく、ESCO事業者が費用を負担し、削減効果を顧客と事業者で分け合う方式です。
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