問題
排水トラップと間接排水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 間接排水管の配管長が、1,500mmを超える場合は、悪臭防止のために機器・装置に近接してトラップを設ける。 | ||
2. | 飲料用水槽において、管径100mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。 | ||
3. | 洗濯機の間接排水管の端部は、排水口空間を確保、あるいは排水口開放とする。 | ||
4. | 排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が小さくなると、封水強度は大きくなる。 | ||
5. | 使用頻度の少ない衛生器具に設置するトラップには、封水の蒸発による破封を防ぐため、トラップ補給水装置を設置する。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1.間接排水管の配管長が、1,500mmを超える場合は、悪臭防止のために機器・装置に近接してトラップを設ける。
→正しい
間接排水管が長くなると、臭気が逆流しやすくなるため、機器の近くにトラップを設けて封水を確保することが望ましいです。
2.飲料用水槽において、管径100mmの間接排水管に設ける排水口空間は、最小150mmとする。
→正しい
飲料用貯水槽の場合、排水口空間は口径に関係なく150mm以上とすることが基準です。
間接排水管の管径(mm) | 排水口空間(mm) |
---|---|
25以下 | 最小50 |
30~50 | 最小100 |
65以上 | 最小150 |
飲料用貯水槽など | 最小150mm |
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3.洗濯機の間接排水管の端部は、排水口空間を確保、あるいは排水口開放とする。
→正しい
洗濯機からの排水は、排水口空間を確保するか、排水口開放のとちらでも良いとされています。同様の条件の設備としては、冷却塔やボイラー、消火栓系統の水抜きなどがあげられます。
4.排水トラップの脚断面積比(流出脚断面積/流入脚断面積)が小さくなると、封水強度は大きくなる。
→不適当
排水トラップには、流入脚(排水が入ってくる管)と流出脚(排水が出ていく管)があります。
脚断面積比(きゃくだんめんせきひ)というのは、「流出脚の断面積 ÷ 流入脚の断面積」の比率です。
この比率が大きい、つまり流出脚の断面積が流入脚よりも広いと、排水が流れやすくなります。排水がスムーズに流れると、トラップ内の水(封水)が流れで一緒に引き抜かれにくくなります。
つまり、流出脚が太いと封水が残りやすくて、封水強度が高まるということになるので、問題文は誤りとなります。
5.使用頻度の少ない衛生器具に設置するトラップには、封水の蒸発による破封を防ぐため、トラップ補給水装置を設置する。
→正しい
長期間使われないと封水が蒸発し、臭気が上がってくるおそれがあるため、自動的に補給水を行う装置の設置が推奨されています。
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