ビル管理士 2022年(R4年) 問129  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

排水通気設備に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.オフセット排水立て管の配管経路を水平移動するため、エルボ又はベンド継手で構成されている移行部分をいう。
2.ブランチ間隔排水立て管に接続している各階の排水横枝管又は排水横主管の間の垂直距離が、2.5mを超える排水立て管の区間をいう。
3.排水口開放間接排水管を一般の排水系統へ直結している水受け容器又は排水器具のあふれ縁より低い位置で開放することをいう。
4.結合通気管排水立て管内の圧力変動を緩和するため、排水立て管から分岐して立ち上げ、通気立て管に接続する逃し通気管をいう。
5.インバートます底部に150mm程度の泥だまりを有し、土砂を堆積させ、下水道へそれが流出するのを防ぐ排水ますをいう。

回答と解説動画

正解は(5)

1.オフセット 排水立て管の配管経路を水平移動するため、エルボ又はベンド継手で構成されている移行部分をいう。
→正しい
オフセットとは、障害物などを避けるために排水立て管を一時的に水平にずらす部分で、エルボやベンドを用いて構成されます。

2.ブランチ間隔 排水立て管に接続している各階の排水横枝管又は排水横主管の間の垂直距離が、2.5mを超える排水立て管の区間をいう。
→正しい
ブランチ間隔とは、排水立て管に接続する排水横枝管又は 排水横主管の間の垂直距離の間隔のことで、2.5 mを超えない場合はブランチ間隔に数えません。
たとえば5階建ての建物で、各階に洗面器が1つずつあり、それぞれの排水横枝管が階ごとに個別に排水立て管へ接続されているとします。
このとき、各階の床と天井の間隔が3mであれば、接続点の間の距離が2.5mを超えているため、各接続点の間にブランチ間隔が生じます。
このような場合、接続点は5か所ありますが、接続点と接続点の「間」の区間は4つになります。
したがって、「ブランチ間隔の数は4になる」という表現が正確です。

出典:秋翔設計

3.排水口開放 間接排水管を一般の排水系統へ直結している水受け容器又は排水器具のあふれ縁より低い位置で開放することをいう。
→正しい
排水口開放とは、間接排水の末端をあふれ縁より低い位置で開放することです。排水口空間を取らないため、人が直接触れる水受け容器の間接排水としては認められていません。

排水口空間について令和6年問129選択肢5参照

4.結合通気管 排水立て管内の圧力変動を緩和するため、排水立て管から分岐して立ち上げ、通気立て管に接続する逃し通気管をいう。
→正しい
結合通気管とは、排水立て管内の圧力変化を緩和するために、排水立て管から分岐して立ち上げ通気立 て管へ接続する逃し通気管をいいます。(下図参照)

出典:うきは市

結合通気管は、高層建物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設置します。

5.インバートます 底部に150mm程度の泥だまりを有し、土砂を堆積させ、下水道へそれが流出するのを防ぐ排水ますをいう。
→不適当
上記の説明は、雨水ますの定義です。

  • 雨水ます
    ルーフドレンなどから流れてくる雨水を一時的に受け止め、底部に150mm程度の泥だめを設け、そこに土砂やゴミを溜めてから、水だけを排水管に流す構造になっています。
  • インバートます
    汚水枡のことを指し、汚水や雑排水に含まれる汚物が滞留しないよう枡の中に配管と同型の溝が切られており、スムーズに流せるようになっています。
出典:岡村水道ポンプ工業所

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