ビル管理士 2022年(R4年) 問127  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

排水通気設備の機器と配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.雑排水ポンプは、厨(ちゅう)房排水以外の雑排水を排除するのに用いる。
2.排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、その接続に可とう継手を用いる。
3.防水床用の排水トラップには、水抜き孔が設置されている。
4.排水用耐火二層管は、繊維モルタルによる外管と架橋ポリエチレン管による内管の組合せからなる。
5.排水トラップが組み込まれていない阻集器には、その出口側に排水トラップを設ける。

回答と解説動画

正解は(4)

1.雑排水ポンプは、厨房排水以外の雑排水を排除するのに用いる。
→正しい
雑排水ポンプは、厨房排水を除く浴室や洗面所などの雑排水に使用します。

排水ポンプの種類は以下の通りです。(暗記しましょう)

ポンプの種類対象最小口径主な用途
汚水ポンプ浄化槽排水、湧水、雨水40㎜原則として固形物を含まない排水
雑排水ポンプ厨房以外の雑排水、雨水50㎜小さな固形物を含む排水
汚物ポンプ汚水・厨房排水、産業排水80㎜大きな固形物を含む排水

2.排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、その接続に可とう継手を用いる。
→正しい
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、肉厚が薄いためねじ切りができず、可とう継手による接続が一般的です。

3.防水床用の排水トラップには、水抜き孔が設置されている。
→正しい
防水床用の排水トラップには、水抜き孔が設けられています。
この理由は、防水層の上にしみ込んだり、たまった水を排水管へ確実に排出するためです。建物の床構造では、防水層の上に押えコンクリートなどが施工されますが、雨水や結露、施工時の水分などが防水層の上に浸透・滞留することがあります。この水分がそのまま残ると、防水層の劣化や建物内部への漏水の原因となるため、水抜き孔を通じて、余分な水を排水管へ逃がす構造になっています。

出典:中部コーポレーション

4.排水用耐火二層管は、繊維モルタルによる外管と架橋ポリエチレン管による内管の組合せからなる。
→不適当
排水用耐火二層管は、一般的に繊維モルタル(耐火被覆)による外管と硬質ポリ塩化ビニル管の内管の組み合わせです。

出典:新潟昭和株式会社

5.排水トラップが組み込まれていない阻集器には、その出口側に排水トラップを設ける。
→正しい
阻集器に排水トラップが組み込まれていない場合は、出口側に排水トラップを設けます。入口側にトラップを設けてしまうと、異物を分離する前の排水が流れ込んでくるため、トラップ内で詰まりの原因となります。

阻集器(そしゅうき)とは、排水の中に含まれる異物を取り除く装置のことです。
油や砂、固形物などが排水管に流れ込んで詰まらないように、事前に分離して集める役割があります。設置場所によって種類があり、厨房にはグリース阻集器、整備工場にはオイル阻集器、コインランドリーには砂阻集器などが使われます。

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