ビル管理士 2022年(R4年) 問121  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給湯設備における省エネルギーに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.中央式給湯設備の循環ポンプは、省エネルギーのため、返湯管の温度が低下した場合に運転する。
2.器具ごとに定流量弁を設置する。
3.適切な給湯設備の制御方式を採用する。
4.混合水栓の使用を避け、湯と水は別々の水栓とする。
5.配管経路の短縮、配管の断熱等を行うことで、放熱損失を低減した配管とする。

回答と解説動画

正解は(4)

1.中央式給湯設備の循環ポンプは、省エネルギーのため、返湯管の温度が低下した場合に運転する。
→正しい
返湯管の温度が下がったときだけ循環ポンプを運転することで、無駄なポンプ運転を減らし、省エネルギーにつながります。

返湯管とは、給湯配管で使われたお湯の一部を再び貯湯槽(ボイラー)に戻すための配管のことです。給湯システムでは、蛇口をひねったときにすぐお湯が出るように、あらかじめお湯を配管内で循環させておく仕組みが取られることがあります。
返湯管があることで、配管内のお湯が常に流れ続けており、お湯の温度が下がりにくくなるだけでなく、蛇口を開けてすぐに温かいお湯が使えるというメリットがあります。
このとき、配管をぐるぐる循環させるために必要なのが「返湯管」です。
主に中央式給湯方式のように配管が長くなる場合に設けられ局所給湯方式のように給湯箇所が近い場合は省略されることが多いです。

2.器具ごとに定流量弁を設置する。
→正しい
定流量弁を設置することで、必要以上の湯を使わず節湯になり、省エネルギーにつながります。

定流量弁とは、流体の流量を一定に制御するために使用される制御弁です。

3.適切な給湯設備の制御方式を採用する。
→正しい
自動制御や最適な運転制御を採用することで、無駄なエネルギー消費を抑えることができます。

4.混合水栓の使用を避け、湯と水は別々の水栓とする。
→不適当
混合水栓(特に節湯水栓)は、湯と水の量や温度をレバーやハンドルで簡単に調整できるため、必要以上にお湯を使うことを防ぎ、省エネルギーに大きく寄与します
従来の水栓では、水とお湯が別々の蛇口で、温度調整のために両方を開けて調整する必要があり、その間に無駄にお湯や水を流してしまうことが多くなります。一方、混合水栓は一つのハンドルやレバーで適温をすぐに得られるため、湯水の無駄な排出が減り、給湯エネルギーの消費量も削減できます

混合水栓
単水栓(水とお湯)
出典:水道修理のセーフリー

5.配管経路の短縮、配管の断熱等を行うことで、放熱損失を低減した配管とする。
→正しい
配管経路の短縮や断熱は、熱損失を減らすため、省エネルギー対策として有効です。

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