問題
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 配管中の湯に含まれている溶存空気を抜くためには、圧力の低いところに自動空気抜き弁を設置する。 | ||
2. | 加熱装置に逃し管を設置する場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げる。 | ||
3. | 密閉式膨張水槽を設ける場合は、逃し弁の設定圧力を膨張水槽にかかる給水圧力よりも低くする。 | ||
4. | 逃し管には、弁を設けてはならない。 | ||
5. | 循環ポンプの揚程は、循環回路系で最も長くなる配管系統の摩擦損失から決定する。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.配管中の湯に含まれている溶存空気を抜くためには、圧力の低いところに自動空気抜き弁を設置する。
→正しい
自動空気抜き弁は、配管中に溜まった空気を排出するために設置されます。圧力の低い配管の頂部や空気が集まりやすい高い位置に設置するのが効果的です。
2.加熱装置に逃し管を設置する場合は、水を供給する高置水槽の水面よりも高く立ち上げる。
→正しい
逃し管(逃がし管)は、加熱装置内の圧力が異常上昇した場合に、安全に蒸気や熱水を排出するための配管です。
この逃し管の先端が高置水槽の水面よりも低い位置にあると、水槽の圧力(水頭)によって、逃し管から常時お湯が流れ出してしまうおそれがあります。そのため、逃し管は高置水槽の水面よりも高い位置に立ち上げることで、通常運転時には排水されないようにし、本当に圧力が異常に高くなったときだけ作動するようにするのが原則です。
3.密閉式膨張水槽を設ける場合は、逃し弁の設定圧力を膨張水槽にかかる給水圧力よりも低くする。
→不適当
逃し弁の設定圧力は、膨張水槽にかかる給水圧力よりも「高く」設定する必要があります。もし逃し弁の設定圧力が給水圧力より低いと、通常運転時でも逃し弁が作動してしまい、システムの圧力維持ができません。したがって、この記述は誤りです。
4.逃し管には、弁を設けてはならない。
→正しい
逃し管に弁を設けると、誤って弁を閉めた状態のときに急激な圧力上昇が起きた際に、内部の圧力を安全に排出できなくなり危険です。そのため止水弁などを設けてはいけません。
5.循環ポンプの揚程は、循環回路系で最も長くなる配管系統の摩擦損失から決定する。
→正しい
循環ポンプの揚程は、循環回路の中で最も損失が大きい経路(最長経路)の摩擦損失や局部損失をもとに決定します。
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