ビル管理士 2022年(R4年) 問95  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

建築物とその構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.木造住宅の法定耐用年数は、22年である。
2.剛性率は、骨組の立面的なバランスを表す指標である。
3.制振構造は、建築物の長寿命化と耐久性の向上に寄与する。
4.耐震改修には、地震に対する安全性の向上のための模様替が含まれる。
5.層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。

回答と解説動画

正解は(5)

1.木造住宅の法定耐用年数は、22年である。
→ 正しい
木造住宅の法定耐用年数は、税法上22年と定められています。
これは、減価償却資産の価値が時間とともに減少し、税務上の資産価値がゼロになるまでの期間を示すものです。

2.剛性率は、骨組の立面的なバランスを表す指標である。
→ 正しい
剛性率は、建物の立面的なバランスを表す指標の一つです。具体的には、各階の剛性の偏りを表し、剛性率が小さい階は変形しやすく、地震エネルギーが集中しやすいため、被害が大きくなる可能性があります。

3.制振構造は、建築物の長寿命化と耐久性の向上に寄与する。
→ 正しい
制振構造は揺れを抑え、損傷を軽減することで長寿命化や耐久性向上に寄与します。

  • 制振構造:建物の揺れを制御し、低減しようとする構造。建物の構造体に取り付けた制振装置(制振ダンパーなど)が、地震や風圧によって生じるエネルギーを吸収し、揺れを小さくします.
  • 免震構造:積層ゴムなどを用いて、地震力による揺れを建築物の上部構造に伝達させないようにした構造。建物と地盤の間にアイソレータ(揺れを吸収する装置)を設置して、地盤から建築物を絶縁する方法があります。
アイソレータ
出典:倉敷化工(株)

4.耐震改修には、地震に対する安全性の向上のための模様替が含まれる。
→ 正しい
「建築物の耐震改修の促進に関する法律」において、耐震改修を「地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕、模様替若しくは一部の除却又は敷地の整備をすること」と定めています。

5.層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。
→ 不適当
層間変形角は「層間変位(各階の横のズレた長さ)÷層の高さ」で計算します。記述は逆なので誤りです。

層間変形角とは、地震などで建物が変形した時に、各階の床が水平方向に移動した角度を表すものです。
つまり、各階ごとの高さが3mで、地震によって5㎝ズレたとしたら、5(㎝)÷3(m)となります。

解説動画

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