ビル管理士 2022年(R4年) 問51  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

空気の流動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.円形ダクトの圧力損失は、ダクト直径に反比例する。
2.ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、風速の2乗に比例する。
3.合流、分岐のないダクト中を流れる気流の速度は、断面積に比例する。
4.開口部を通過する風量は、開口部前後の圧力差の平方根に比例する。
5.レイノルズ数は、慣性力の粘性力に対する比を表す無次元数である。

回答と解説動画

正解は(3)

1.円形ダクトの圧力損失は、ダクト直径に反比例する。
→ 正しい
円形ダクトの圧力損失は、ダクトの長さ、形状抵抗係数、風速の2乗に比例し、直径に反比例します。直径が大きいほど圧力損失は小さくなります。

2.ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、風速の2乗に比例する。
→ 正しい
エルボや分岐、合流などの形状変化による圧力損失は、、形状抵抗係数風速の2乗比例します。

3.合流、分岐のないダクト中を流れる気流の速度は、断面積に比例する。
→ 不適当
気流の速度は断面積に反比例します。
(流量Q=断面積A×速度V → V=Q/A)
同じ流量で断面積が大きくなれば速度は遅くなります。

ヘタ・レイ

ストローの先を細く(断面積を小さくする)して息を吹くと、出てくる風の速度が上がりますよね。あれをイメージするとわかりやすいと思います。

4.開口部を通過する風量は、開口部前後の圧力差の平方根に比例する。
→ 正しい
開口部の風量は、圧力差の平方根に比例します。

\(Q = \alpha A \sqrt{\frac{2 \Delta P}{\rho}} \)

(Q:風量、α:流量係数、A:開口面積、ΔP:圧力差、ρ:空気密度)。

5.レイノルズ数は、慣性力の粘性力に対する比を表す無次元数である。
→ 正しい

レイノルズ数:流体の「慣性力」と「粘性力」の比を表す無次元数

  • 2000~4000の間→ 層流と乱流の中間的な状態(遷移領域)。
  • レイノルズ数が小さいとき(おおよそ2000未満)を 層流(そうりゅう)と呼び、流体は層をなして滑らかに流れています。粘性力が支配的な流れ。
  • レイノルズ数が大きいとき(おおよそ4000以上)を 乱流(らんりゅう)と呼び、流体には渦や乱れが生じています。慣性力が支配的な流れ。

解説動画

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