問題
振動に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
1. | 地震の震度は、気象庁の職員の体感によって測定される。 |
2. | レイノー現象は、温度が高く代謝が上昇する夏季に起こりやすい。 |
3. | 全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる。 |
4. | 振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。 |
5. | 地面の振動が伝わる際、建築物内床面の振動レベルは減衰により屋外地面上より低くなる。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.地震の震度は、気象庁の職員の体感によって測定される
→ 不適当
現在の震度は、計測震度計による機械的な測定値で決まります。体感による判定は過去の方法で、現在は使われていません。
2.レイノー現象は、温度が高く代謝が上昇する夏季に起こりやすい
→ 不適当
レイノー現象(白ろう病)は、寒さや冷たい刺激、ストレスが原因で起こります。夏季よりも冬季や寒冷刺激で発症しやすいです。
3.全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる
→ 適当
全身振動(長距離運転・重機作業など)は、胃腸の働きを抑制したり、胃下垂や消化不良などの症状を引き起こすことがあります。
4.振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる
→ 不適当
振動の知覚は知覚神経末端受容器によって行われます。運動神経は関係ありません。
5.地面の振動が伝わる際、建築物内床面の振動レベルは減衰により屋外地面上より低くなる
→ 不適当
建物は振動の周波数によっては共振し、地面よりも振動レベルが高くなる場合もあります。必ずしも減衰するとは限りません。
局所振動と全身振動まとめ
項目 | 局所振動 | 全身振動 |
---|---|---|
原因 | 手持ち工具(チェーンソー、削岩機)など | 車両運転(フォークリフト、バス)など |
周波数 | 8~1,000Hz | 1~90Hz(低周波) |
健康影響 | 白ろう病(指の蒼白化)、末梢神経障害、骨・関節障害など | 胃下垂、乗り物酔い、血圧上昇、腰痛、内臓機能障害、自律神経機能失調(車酔い・船酔いなど)、不快感、睡眠障害、胃腸障害、脊柱の異常など |
評価方法 | 手指への振動曝露量 | 鉛直・水平振動の両方で測定 |
解説動画
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