ビル管理士 2023年(R5年) 問122  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給湯設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.中央式給湯方式においては、加熱により残留塩素が消滅する場合があるため、その水質には留意する。
2.開放式の貯湯槽においては、外部からの汚染の経路となりやすいマンホールの気密性、オーバフロー管の防虫網の完全性等を点検する。
3.給湯水の流量を調節するためには、仕切弁を使用する。
4.使用頻度の少ない給湯栓は、定期的に滞留水の排出を行い、給湯温度の測定を行う。
5.給湯循環ポンプは、作動確認を兼ねて定期的に分解・清掃を実施する。

回答と解説動画

正解は(3)

1.中央式給湯方式においては、加熱により残留塩素が消滅する場合があるため、その水質には留意する。
→正しい
中央式給湯方式では、給湯の加熱により残留塩素が消失する可能性があるため、水質管理に注意が必要です。

2.開放式の貯湯槽においては、外部からの汚染の経路となりやすいマンホールの気密性、オーバフロー管の防虫網の完全性等を点検する。
→正しい
マンホールは、外部からのごみや虫などの侵入経路となりやすいため、パッキンや蓋の状態を確認し、隙間がないようにしっかりと閉まっていることを確認する必要があります。また、オーバーフロー管は、貯湯槽の水があふれた際に排水するための管であり、ここに防虫網が設置されていないと、虫などが侵入しやすくなります。防虫網が破損していないか、きちんと取り付けられているかを確認する必要があります。

3.給湯水の流量を調節するためには、仕切弁を使用する。
→不適当
仕切弁は開閉用であり、流量調整には適しません。流量調整には玉型弁などを使用します。

仕切弁
出典:岡野バルブ製造
玉形弁
出典:キッツ

4.使用頻度の少ない給湯栓は、定期的に滞留水の排出を行い、給湯温度の測定を行う。
→正しい
使用頻度の少ない給湯栓で定期的に滞留水の排出と給湯温度の測定を行う理由は、主に衛生管理、特にレジオネラ属菌などの細菌対策のためです。
給湯配管や末端の給湯栓で水が長時間滞留すると、配管内の温度が下がり、残留塩素も消失しやすくなります。この状態では、レジオネラ属菌などの細菌が繁殖しやすくなります。
そのため、
定期的に滞留水を排出して新しい水と入れ替えることで、細菌の繁殖リスクを下げる
給湯温度を測定し、十分な温度(一般的に55℃以上)を維持できているか確認する
ことが重要です

5.給湯循環ポンプは、作動確認を兼ねて定期的に分解・清掃を実施する。
→正しい
給湯循環ポンプは、定期的(1年に1回)、作動確認を兼ねて分解清掃を行う。(点検の頻度も覚えましょう)

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