ビル管理士 2023年(R5年) 問106  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給水及び排水の管理に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.バルキング排水槽の底部に沈殿した固形物や油脂等が集まったもの
2.自己サイホン作用排水が器具排水管内を満流で流れるときに、サイホンの原理によってトラップ内の封水が引かれ、残留封水が少なくなる現象
3.クロスコネクション上水(飲料水)系統と他の配管系統を配管や装置により直接接続すること
4.オフセット排水立て管の配管経路を平行移動するために、エルボ又はベンド継手で構成されている移行部分のこと
5.ポンプのインバータ制御周波数を変えることでモータの回転数を変化させる、送水量の制御方法

回答と解説動画

正解は(1)

1.バルキング:排水槽の底部に沈殿した固形物や油脂等が集まったもの
→不適当
バルキングとは、主に活性汚泥法による排水処理施設で発生する現象で、活性汚泥が異常に膨張して沈降性が悪くなり、固液分離が困難になる状態を指します。

なお、活性汚泥法では、曝気槽で有機物を分解した後、沈殿槽で活性汚泥(微生物フロック)が沈み、上澄みの処理水と分離される必要があります。

活性汚泥法は、排水処理において微生物の働きを利用して有機物を分解・除去する生物処理方法です。好気性微生物が排水中の有機物を食べ、水質を浄化します。曝気槽で空気を供給し、微生物の活動を促進します。下水処理場、工場排水処理、 浄化槽などで利用されています。

2.自己サイホン作用:排水が器具排水管内を満流で流れるときに、サイホンの原理によってトラップ内の封水が引かれ、残留封水が少なくなる現象
→正しい
自己サイホン作用とは、排水器具から大量の水を流した際に、排水管内が満流状態になり、サイホンの原理によってトラップ内の封水が引き込まれ、結果として封水が減少し、下水からの臭気が上がってくる現象のことです。

3.クロスコネクション:上水(飲料水)系統と他の配管系統を配管や装置により直接接続すること
→正しい
クロスコネクションは、飲料水配管と他の系統(非飲料水や排水など)が直接接続される状態で、逆流による汚染リスクが生じます。
こうなると、万が一逆流が起きたときに、汚れた水が飲み水側に混ざってしまう危険があります。

出典:山形市上下水道局

4.オフセット:排水立て管の配管経路を平行移動するために、エルボ又はベンド継手で構成されている移行部分のこと
→正しい
オフセットは、排水立て管などの配管経路を平行移動させる部分で、エルボやベンド継手で構成されます。
排水立て管が他の配管や構造物と干渉する場合、その経路を平行に移動させるために用いられます。
下の画像がエルボやベンドです。配管の経路を変えるために形状が曲がっています。

エルボ
出典:クボタケミックス
ベンド
出典:クボタケミックス

5.ポンプのインバータ制御:周波数を変えることでモータの回転数を変化させる、送水量の制御方法
→正しい
インバータ制御は、モータの回転数を周波数制御で調整し、送水量や圧力を効率的に制御する方法です。

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