ビル管理士 2023年(R5年) 問100  過去問の解説【建築物の構造概論】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

火災性状に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.フラッシュオーバーは、着火源から部屋全体に急速に燃焼拡大する現象である。
2.火災時に階段等の竪穴区画に煙が入った場合、煙突効果によって上階へ急速な煙の伝播を招くおそれがある。
3.減光係数は、煙の有毒性の定量的評価に用いられる指標である。
4.火災時に室内の上部に形成される高温度の煙層は、火勢の拡大を促進させる要因の一つである。
5.プルームは、火源の上方に形成される燃焼反応を伴わない熱気流のことである。

回答と解説動画

正解は(3)

1.フラッシュオーバーは、着火源から部屋全体に急速に燃焼拡大する現象である。
→ 正しい
フラッシュオーバーとは、火災時に発生する現象で、火災の熱によって室内温度が急激に上昇し、可燃物が一気に燃え広がり、部屋全体が炎に包まれる状態のことです。爆発的な延焼とも言え、非常に危険な状態になります。

2.火災時に階段等の竪穴区画に煙が入った場合、煙突効果によって上階へ急速な煙の伝播を招くおそれがある。
→ 正しい
竪穴区画に煙が入ると、煙突効果により上階へ煙が急速に伝播します。

3.減光係数は、煙の有毒性の定量的評価に用いられる指標である。
→ 不適当
減光係数とは、煙の濃さを表す指標です。
煙があると光が通りにくくなりますが、減光係数は「煙によってどれだけ光が弱くなるか(減光するか)」を数値で示します。
煙が濃いほど減光係数は大きくなり、見通しが悪くなります。
たとえば、火災時の避難経路の視界確保や、煙の拡散状況を評価する際に使われます。
つまり、有毒性は関係ありません。

4.火災時に室内の上部に形成される高温度の煙層は、火勢の拡大を促進させる要因の一つである。
→ 正しい
高温度の煙層は、可燃性ガスや未燃焼ガスを含んでおり、火災の熱によってさらに温度が上昇します。
この高温の煙が天井や壁に接することで、それらを加熱し、可燃物の着火温度に達すると、新たな火災源となり、火勢が拡大します。

5.プルームは、火源の上方に形成される燃焼反応を伴わない熱気流のことである。
→ 正しい
プルームは火源上方に立ち上る熱気流であり、燃焼反応を伴わない上昇流を指します。

解説動画

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次