ビル管理士 2023年(R5年) 問87  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.照明器具の不快グレアの程度を表すUGRは、値が大きいほどまぶしさの程度が大きいことを意味する。
2.設計用全天空照度は、快晴よりも薄曇りの方が高い。
3.色温度が高くなると、光色は 青 → 白 → 黄 → 赤 と変わる。
4.演色評価数が100に近い光源ほど、基準光で照らした場合の色に近い色を再現できる。
5.事務所における製図作業においては、文書作成作業よりも高い維持照度が求められる。

回答と解説動画

正解は(3)

1. 照明器具の不快グレアの程度を表すUGRは、値が大きいほどまぶしさの程度が大きいことを意味する。
→ 正しい
UGRは値が大きいほどまぶしさ(グレア)が強く、不快感が増します。

立体角が大きいとは、「照明器具の発光部」が人間の視野の中で大きく見えるということ。
つまり、立体角が大きくなると目に入る光の量が増えてまぶしさが強くなり、UGRの値も大きくなるという仕組みです。

2. 設計用全天空照度は、快晴よりも薄曇りの方が高い。
→ 正しい
薄曇りの方が天空光が多く、設計用全天空照度は快晴より高くなります。

天空光とは、太陽の光が空中の水蒸気や塵、雲などに散乱・反射されて地上に到達する光のことで、直射日光以外の光を指します。

特に明るい日(薄曇り・雲多い晴天)50,000(lx)
明るい日30,000(lx)
普通の日15,000(lx)
暗い日5,000(lx)
非常に暗い日(雷雲・降雪中)2,000(lx)
快晴の青空10,000(lx)

3. 色温度が高くなると、光色は 青 → 白 → 黄 → 赤 と変わる。
→ 不適当
色温度が高くなると、光色は「赤→黄→白→青」と変化します。色温度が高いほど青みが強くなり、低いほど赤みが強くなります。設問は逆です。

色温度とは、光源が発する光の色を定量的に数値で表したものです。単位はケルビン(K)で、数値が高いほど光は青みがかり、低いほど赤みがかります。人間が感じる暖色と寒色とは反対に、色温度が高いほど寒色(青み)が強くなります。

4. 演色評価数が100に近い光源ほど、基準光で照らした場合の色に近い色を再現できる。
→ 正しい
演色評価数とは、照明器具の光が物体を照らした時の色の見え方を評価する数値で、自然光に近いほど評価が高くなります。

5. 事務所における製図作業においては、文書作成作業よりも高い維持照度が求められる。
→ 正しい
製図作業は細かい作業のため、文書作成よりも高い照度が求められます。文書作成の基準は300ルクス以上ですが、製図作業はそれより高く750~1500ルクスと設定されています。

解説動画

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次