問題
紫外線に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 紫外線には殺菌作用がある。 |
2. | 紫外線は皮膚表層で吸収される。 |
3. | 紫外線のリスクとして悪性黒色腫の発生がある。 |
4. | 紫外線の曝露(ばくろ)が起こる作業の一つにアーク溶接がある。 |
5. | 紫外線の曝露による白内障は、ガラス工白内障として古くから知られている。 |
回答と解説動画
正解は(5)
1.紫外線には殺菌作用がある
→ 正しい
紫外線は細菌やウイルスを不活化する力があります。特に波長100~280nmは強い殺菌効果を持ちます。
2.紫外線は皮膚表層で吸収される
→ 正しい
紫外線の多くは皮膚の表皮で吸収されます。ただし、UV-Aは真皮まで到達することがありますが、一般的な知識としては「皮膚表層で吸収される」という認識でOKです。
3.紫外線のリスクとして悪性黒色腫の発生がある
→ 正しい
紫外線は皮膚のDNAに損傷を与え、悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんのリスクを高めます。
4.紫外線の曝露が起こる作業の一つにアーク溶接がある
→ 正しい
アーク溶接では強い紫外線が発生し、皮膚炎や目の障害(紫外線角結膜炎など)のリスクがあります。
5.紫外線の曝露による白内障は、ガラス工白内障として古くから知られている
→ 不適当
ガラス工白内障の主な原因は「赤外線」です。赤外線が水晶体に長期間照射されることで白内障が発生します。紫外線も白内障のリスク因子ですが、「ガラス工白内障=赤外線」が正しい知識です。
赤外線と紫外線の比較
項目 | 紫外線 | 赤外線 |
---|---|---|
波長 | 短い(約100~400nm) | 長い(約770nm~1mm) |
周波数 | 高い | 低い |
透過性 | 低い(皮膚表層や眼表面で吸収) | 高い(人体の奥まで届く) |
主な作用 | 殺菌作用、ビタミンD生成 | 熱作用(温熱効果) |
健康影響 | 皮膚紅斑、皮膚がん、白内障、電気性眼炎、角膜炎 | 熱中症、皮膚血管拡張、代謝促進、白内障(ガラス工白内障) |
曝露作業例 | アーク溶接、屋外作業、殺菌灯 | 炉前作業、ガラス工場、赤外線乾燥 |
その他 | UV-A、UV-B、UV-Cに分類、皮膚表層で主に作用 | 近赤外線・遠赤外線に分類、深部まで熱影響 |
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