問題
ヒトのがんに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | ヒトのがんの3分の2以上は、食事や喫煙等の生活習慣が原因とされる。 |
2. | がんは我が国の死因のトップであり、高齢化に伴い死亡者数が増え続けている。 |
3. | プロモータはDNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質である。 |
4. | ウイルスが発がんの原因となることがある。 |
5. | ホルムアルデヒドには発がん性が認められる。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.ヒトのがんの3分の2以上は、食事や喫煙等の生活習慣が原因とされる
→ 正しい
日本人のがんの主要因は「喫煙」「感染」「食事」などで、生活習慣要因が全体の約60~70%を占めます。
2.がんは我が国の死因のトップであり、高齢化に伴い死亡者数が増え続けている
→ 正しい
2021年のがん死亡者は38.1万人(全死因の26.5%)で死因第1位。高齢化に伴い死亡数は増加傾向です。
3.プロモータはDNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質である
→ 不適当
プロモーター(発がん促進物質)は、イニシエーター(発がん開始物質)が引き起こしたDNA損傷を「促進」する役割です。DNAに最初の傷をつけるのはイニシエーターです。
4.ウイルスが発がんの原因となることがある
→ 正しい
B型肝炎ウイルス(肝がん)、ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)など、感染が原因で発症するがんは日本人のがんの約20%を占めます。
5.ホルムアルデヒドには発がん性が認められる
→ 正しい
国際がん研究機関(IARC)はホルムアルデヒドをグループ1(確実な発がん性)に分類しています。
ポイント
- 発がんの2段階説:
- イニシエーター:DNAに最初の変異を引き起こす
- プロモーター:変異細胞を増殖させがん化を促進
- がんの主要リスク要因:
- 生活習慣(喫煙・食事・飲酒)+感染(ウイルス・細菌)が大部分を占める
- ホルムアルデヒドなどの化学物質も発がんリスク要因
- 統計データ:
- がんは日本人の死因第1位(全死亡の約4人に1人)
- 高齢化に伴いがん死亡数は増加傾向
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