ビル管理士 2024年(R6年) 問101  過去問の解説【建築物の構造概論】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

建物の防火対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.特定防火設備は、鉄製防火扉等、火災を閉じ込めることができる性能を有する防火設備である。
2.防炎製品は、カーテン、暗幕、絨毯(じゅうたん)等に薬剤処理をして着火や燃え広がりを効果的に抑制したもので、消防法令で定められている。
3.建築基準法令で定められる非常用照明装置の避難上有効な照度は、光源が白熱電灯の場合とLEDランプの場合では異なる。
4.第二種排煙は、給気ファンにより排煙対象室に正圧をかけた排煙で、押出し排煙とも呼ばれる。
5.非常用進入口は、非常時の消防隊の進入口として用いられるもので、逆三角形の赤色反射塗料で3階以上の階の窓等に表示される。
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回答と解説動画

正解は(2)


1.特定防火設備は、鉄製防火扉等、火災を閉じ込めることができる性能を有する防火設備である。
→正しい
特定防火設備とは、防火設備のうち、火災時に1時間の遮炎性能を有する(火災を閉じ込める)ものとして国土交通大臣の認定を受けた設備をいう。主に、防火区画の開口部(防火戸・シャッターなど)に設置され、火炎や煙の拡大を防止する
一方、防火設備は、火災時に20分間程度の遮炎性能を有し、延焼を防止するために建築物の開口部などに設けられる。

2.防炎製品は、カーテン、暗幕、絨毯(じゅうたん)等に薬剤処理をして着火や燃え広がりを効果的に抑制したもので、消防法令で定められている。
→不適当
問題文は防炎物品の説明です。
防炎物品と防炎製品はどちらも燃えにくいように加工された製品ですが、消防法による使用義務の有無や認定制度に違いがあります。
防炎物品は消防法で定められた建物で使用が義務付けられており、防炎製品は自主的に使用されるものです。

ヘタ・レイ

かなり細かい知識だと思います・・・。

出典:京田辺市

3.建築基準法令で定められる非常用照明装置の避難上有効な照度は、光源が白熱電灯の場合とLEDランプの場合では異なる。
→正しい
建築基準法で定められた非常用照明装置の避難上有効な照度は、光源が白熱電灯の場合とLEDランプの場合で異なります。具体的には、白熱灯の場合は1ルクス以上、蛍光灯やLEDの場合は2ルクス以上が求められます。
この理由は、蛍光灯やLEDは、白熱灯に比べて周囲温度の影響を受けやすく、高温になると照度が低下する傾向があるため、より高い照度が求められからとされています。

4.第二種排煙は、給気ファンにより排煙対象室に正圧をかけた排煙で、押出し排煙とも呼ばれる。
→正しい
第二種排煙方式は、給気ファンで排煙対象室に正圧をかけて、煙を外に押し出す排煙方法で、「押出し排煙」とも呼ばれます。
なお、通常の排煙方式のように、排煙ファンで煙を外に排気する方式は第一種排煙方式になります。

5.非常用進入口は、非常時の消防隊の進入口として用いられるもので、逆三角形の赤色反射塗料で3階以上の階の窓等に表示される。
→正しい
非常用進入口は、逆三角形の赤色反射塗料で3階以上の窓などに表示されます。
以下の写真だと、左側に上下で2個並んでいる逆三角形が侵入口のマークです。

非常用進入口まとめ
  • 目的・定義
    非常用進入口は、火災などの緊急時に外部から消防隊がはしご等で建物内部に進入し、救助や消火活動を行うためのバルコニーや開口部です。
  • 設置対象
    主に高さ31m以下の建物の3階以上の階に設置が義務付けられています。非常用エレベーターがある場合や、代替進入口が十分に設けられている場合は免除されることがあります。
  • 表示・設備
    赤色の逆三角形の反射塗料マークを窓などの開口部に表示します。
  • 設置間隔
    非常用進入口の間隔は40m以下とします。

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