ビル管理士 2024年(R6年) 問41  過去問の解説【建築物の環境衛生】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

ヒトと水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.身体全体の水分の収支として、尿や汗などにより排出した水分を補うのは、飲料による水分、食物中に含まれる水分、そして体内で生ずる代謝水である。
2.体重の1%以上の水分の欠乏があると喉の渇きが出現する。
3.ヒトは、食料がなくても飲料水があれば数十日生きることができる。
4.成人のヒトにおいて、体重の約2/3は水分からなる。
5.体内では細胞内液より細胞外液の方が多い。
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回答と解説動画

正解は(5)

1.身体全体の水分の収支として、尿や汗などにより排出した水分を補うのは、飲料による水分、食物中に含まれる水分、そして体内で生ずる代謝水である。
→正しいです。摂取水分は飲料水・食物・代謝水から得られ、排出は尿・皮膚・呼吸・便などによって行われます。

2.体重の1%以上の水分の欠乏があると喉の渇きが出現する。
→正しいです。体重の1%を超える水分欠乏で喉の渇きが生じます。

水分欠乏率主な症状・影響
1%のどの渇き
2%強い渇き、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮
4%動きのにぶり、皮膚の紅潮、いらいら、疲労、嗜眠、吐気、感情不安定
6%手足の震え、熱性抑うつ症昏迷、頭痛、体温上昇、脈拍・呼吸数増加
8%呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭、精神錯乱
10~12%筋けいれん、平衡機能失調、失神、舌の腫張、循環不全、腎機能不全
15~17%皮膚がしなびる、飲み込み困難、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚感覚鈍化、舌のしびれ、眼瞼硬直
18%皮膚のひび割れ、尿生成の停止
20%死亡

3.ヒトは、食料がなくても飲料水があれば数十日生きることができる。
→正しいです。飲料水さえあれば数十日生存可能とされています。

水がない場合、人は通常3日から5日程度しか生きることができません。水分補給ができないと、体内の水分は急速に失われ、脱水症状が進行します。体重の2~3%の水分が失われると喉の渇きやぼんやり感、4~5%で頭痛やめまい、10%以上で命に関わる症状が現れます。最終的には、体内の水分の20%が失われると致命的となり、数日で死に至ります

環境や体調によって多少前後しますが、水なしでは数日(3~5日)が限界と考えられています。

4.成人のヒトにおいて、体重の約2/3は水分からなる。
→正しいです。成人の体内水分量は体重の約60%(2/3程度)です。

5.体内では細胞内液より細胞外液の方が多い。
→不適当です。体重の約2/3は水分と説明しましたが、そのうち40%が細胞内液20%細胞外液です。つまり、細胞内液が約2/3、細胞外液が約1/3となるため、細胞内液の方が多いです

ポイント

  • 体内の水分は摂取(飲料・食物・代謝水)と排出(尿・皮膚・呼吸・便)でバランスする。
  • 体重の1%の水分欠乏で喉の渇き、10%を超えると筋けいれんなど重篤な症状、20%で死亡。
  • 成人の体内水分量は体重の約60%(2/3程度)。
  • 体液は細胞内液が約2/3、細胞外液が約1/3で細胞内液の方が多い。

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