問題
環境衛生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。 |
2. | 許容濃度を守ることにより、ほとんどすべての労働者に、健康上の悪い影響は見られないとされている。 |
3. | 有害物による、がんなどを除く特定の反応については、曝露(ばくろ)量が増加すると陽性者は直線的に増加する。 |
4. | 有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係を、量-影響関係と呼ぶ。 |
5. | 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1. 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。
→正しいです。
2. 許容濃度を守ることにより、ほとんどすべての労働者に、健康上の悪い影響は見られないとされている。
→正しいです。
「許容濃度」は「労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露される場合に、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度」です。
3. 有害物による、がんなどを除く特定の反応については、曝露量が増加すると陽性者は直線的に増加する。
→誤りです。
「がんなどを除く特定の反応」は多くの場合「閾値」があり、閾値を超えると陽性者が現れ、曝露量が増えると陽性者は「S字型(曲線的)」に増加します。
このような関係を「量-反応関係」といいます。
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4. 有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係を、量-影響関係と呼ぶ。
→正しいです。
「量-影響関係」とは、有害物質などの曝露量(摂取量・ばく露量)と、個体(生体)がどのような影響を受けるか、その影響の「程度」や「大きさ」の関係を表すものです。
たとえば、「一酸化炭素(CO)」を吸い込んだ場合の影響を考えます。
- 低い濃度(例:10ppm)
ほとんど症状は出ません。軽い頭痛や眠気を感じる人もいますが、健康被害はほとんどありません。 - 中程度の濃度(例:100ppm)
頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れ始めます。 - 高い濃度(例:1,000ppm)
意識障害、昏睡、最悪の場合死亡します。
このように、曝露量(濃度)が増えるほど、健康影響の「程度」も重くなります。
5. 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。
→正しいです。
学校の環境衛生基準は「学校保健安全法」で規定されています。
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