ビル管理士 2024年(R6年) 問70  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

加湿装置の基本構造と加湿方式との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.滴下式気化方式
2.遠心式気化方式
3.超音波式水噴霧方式
4.電極式蒸気方式
5.パン型蒸気方式
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回答と解説動画

正解は(2)

1. 滴下式 気化方式
→正しい
滴下式加湿器は、加湿材に水を上から滴下し、そこに空気を通して水分を蒸発させる方式です。水が加湿材にしみ込み、空気がその表面を通過することで自然に蒸発(気化)し、加湿されます。加湿材を使うため、構造がシンプルでメンテナンスも比較的容易です。

2. 遠心式 気化方式
→不適当
遠心式は「水噴霧方式」に分類されます。高速回転するディスクやドラムに水を供給し、遠心力で水滴を飛ばして微細な霧(ミスト)を発生させます。この霧を空気中に放出することで加湿します。気化方式は「水を蒸発させる」方式ですが、遠心式は「水を霧状にして空気中に飛ばす」方式なので、分類が異なります。

3. 超音波式 水噴霧方式
→正しい
超音波式加湿器は、超音波振動子で水面を振動させ、非常に細かい水滴(ミスト)を発生させて空気中に放出します。

4. 電極式 蒸気方式
→正しい
電極式加湿器は、水槽内の水に電極を挿入し、電流を流して水自体を発熱させ、その熱で水を沸騰させて蒸気を発生させます。発生した蒸気を空気中に送り込むことで加湿します。

5. パン型 蒸気方式
→正しい
パン型加湿器は、浅いパン(皿)状の容器に水を入れ、電熱ヒーターなどで直接加熱して蒸気を発生させる方式です。構造が単純で、主に小規模な空調や家庭用で使われます。

加湿装置まとめ

方式

共通する特徴

加湿装置の種類

気化方式

  • 温度が下降する
  • 水の中の不純物を放出しない
  • 滴下式
    加湿材に水を滴下し、空気を通して水分を蒸発させて加湿。
    加湿材の寿命は5,000~10,000時間。
  • 透湿膜式
    透湿膜に水を流し、膜を通して水蒸気を放出し加湿。
    膜の寿命は3,000~7,000時間。
  • 回転式
    加湿材を回転させ、水槽でぬらして通風気化。
  • 毛細管式
    毛細管現象で加湿材をぬらして通風気化。
  • エアワッシャ式
    多量の水を空気と接触させて気化。

蒸気方式

  • 温度が下降しない
  • 無菌
  • 水の中の不純物を放出しない
  • 電極式
    水槽内の水に電極を挿入し、電流を流して水自体を発熱させ、蒸気を発生させる。
    水道水など不純物を含む水を使う。(純水は電気を通さないため)
    電極の寿命は2,000~5,000時間
  • 電熱式
    電熱ヒーターでタンク内の水を直接加熱し、蒸気を発生させる。
    ヒーターの寿命は10,000~20,000時間
  • パン型
    浅いパン(皿)状の容器に水を入れ、電熱ヒーターなどで加熱して蒸気を発生させる。
  • 赤外線式
    赤外線ランプで水を加熱し、蒸気を発生させる。

水噴霧方式

  • 温度が下降する
  • 水の中の不純物を放出する
  • 遠心式
    水を高速回転するディスクやドラムで遠心力を使って霧状にし、空気中に噴霧して加湿する。
    軸受の寿命は2,000~30,000時間
  • 超音波式
    超音波振動子で水を微細なミスト(霧)にして空気中に噴霧する。
    振動子の寿命は5,000~10,000時間
  • 2流体スプレー式
    圧縮空気と水を同時にノズルから噴霧し、さらに微細な霧を作る。
  • 高圧スプレー式
    高圧ポンプで加圧した水をノズルから噴霧し、空気中に加湿する。

解説動画

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