問題
地域冷暖房システムに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。 |
2. | 不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。 |
3. | 各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。 |
4. | 熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。 |
5. | 個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。 |
回答と解説動画
正解は(2)

下記画像を使って説明すると、中央の地下にあるプラント内には大型の冷凍機やボイラーが設置されており、ここで作られた熱源(蒸気・温水・冷水等)をオフィスビルの地上階(図中のプラントが入っているビル)や、地下配管で繋がった周辺の建築物(図では住居ビル、商業ビル、ホテル病院)で利用しています。


1.個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。
→ 正しい
熱源を集約し高効率で運用できるため、個別熱源方式より省エネ・大気汚染対策に優れ、CO₂やNOₓなどの排出も削減できます。
2.不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。
→ 不適当
熱供給事業法は、一定規模(加熱能力21GJ/h以上)以上の熱源プラントに適用されます。規模が小さい場合や特定の範囲に限定される場合は適用外です。
3.各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。
→ 正しい
熱源設備が地域プラントに集約されるため、各建物ごとに煙突や冷却塔を設置する必要がなくなり、屋上や地下の有効活用や都市景観の向上に寄与します。
4.熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。
→ 正しい
大型で高効率な熱源機器をまとめて運用でき、負荷変動にも柔軟に対応できるため、効率的なエネルギー利用が可能です。
5.個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。
→ 正しい
熱源設備を建物ごとに設置しなくてよくなるため、屋上や地下のスペースを駐車場や緑地など他の用途に活用でき、建物の有効面積が増えます。
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